「海外の」ビタミン剤に手を出すべきでない幾つかの理由。

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どうも分かってない人が延々とマーケティングするので。

DSHEA法によって、「成分さえ入っていれば」OKだから。

cGMPを課す、cGMPに対応するという話はあるのだが、それは「製造プロセスの品質保証」であり、ビタミン剤を大量投与したらとか、効果の保証はFDAは「一切しない」。
アメリカ医師会もしていないし、寧ろ逆の論文が昨今では翻訳されて日本に来ている。
というか、ほぼ世界的な公的機関でも聞かない。
「疾患リスクを下げる効果がある(かも)」であって、治療効果などは宣伝してはいけない、という事にもなっているし。
サプリメーカーが語りたがらない10の事実 - WSJ
「サプリメント」の検索結果 - 食品安全情報blog
サプリ過剰摂取は「死亡率」を引き上げていた | 健康 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
「サプリメントは効果なし」米医学誌がバッサリ(田中めぐみ) - 個人 - Yahoo!ニュース


ただ、アメリカの場合には、「サプリメント業界というのが一大勢力である」し(法律作れるぐらいの権力はある)、「医療機関へのアクセスが極端に貧弱でかつドラッグストアだけはアホみたいにある」惨状なので(虫歯の痛みを抑えるのに毎朝鎮痛薬飲むとかってのが「惨状ではない」とはとても思えない)、多くの国民がオーバードーズなジャンキーである。

過剰摂取によるリスクは「ありはする」。

遺伝子が似たようなものだから、というのは「頭が大変残念」である。
食習慣の方が遥かに重要で、日本とアメリカのそれは正直違いすぎて適用出来ない。
カロリー摂取量が二倍とは言わんが異なるし、ビーガンぐらいにしか勧められんという人の方が多い。アメリカ人の摂取カロリーの標準の半分以下の人とかはそりゃ欠乏症にもなるだろうが、滅多にならない。
ただ、過剰摂取も、水溶性ビタミンならそうは発生しない。発生しないが故に「とりあえず量アホみたいに増やして差別化・高価格化」してきたのがアメリカである。脂溶性ビタミンについても、肥満の人にはそれほど影響しない。脂身に溶けるから。
ただ、他の薬剤ほどにリスクがあるのかと言われると、「そこまでではない」。無駄に金使っているだけがほとんどで、。

https://aapcc.s3.amazonaws.com/pdfs/annual_reports/2014_AAPCC_NPDS_Annual_Report.pdf
↑2014年度版の曝露数(AAPCCの調べ)。まあ、鎮痛剤に比べると1/5程度である。念の為だが、毒物としての話である。転帰不明のものが多いが、日本の副作用報告もそんなものだし、仕方がない。とは言え、死亡例は多分報告されてないと思う(一応ざっと見たが特にVitaminsではなかったと思う)
 網羅的かと言われると多分微妙。アメリカには日本ほどかっちりした医療行政がない。故に、「統計情報として」ここから全米の傾向を推測するという形になる。

効用があるとしても「はっきりした効き目が出る訳がない」。それがあるなら混入物を疑う方が吉。

混入物については、各種検査でもまあ調べようがない。気を付けてチェックしない限り。
一応cGMP適用されてるなら、「有効成分がどれぐらい入っているか」は、出口でも検査している(と信じたいだけであるが)とは思うが、不純物については、「何が入っているのか分からないとナカナカ調べられないものだ」。特に「天然成分由来」だとか言っているものに関しては注意が必要である。


あと、「何mg含まれてます」が正しくても、「何mg摂取出来ます」はだいたい正しくない。
飲み合わせによって、鉄の過剰摂取などを引き起こしたりするので注意は必要。

そもそも「リコール」情報とかをつかみにくい日本人が、海外のサプリメントに手を出すべきとは思えない。

NOW Health Group Dietary Supplements: Recall - Mislabeling
まあ、なんつーかその、リコールとかの情報はナカナカ日本では手に入りにくい。
これはマルチビタミンでは「ない」が、日本では「日本のリコール情報」は手に入るが、アメリカからの個人輸入では手に入りにくいし、何かしらの健康被害が発生したりすると、アメリカで裁判する必要がある(裁判にならずに救われる、ような制度はない)。


錠剤を作っている大半は、「毒にも薬にもならない混ぜ物」なのだが、その混ぜ物の不純物がアレルギー反応を引き起こす、というパターンはしばしばある。今回のは、大豆なので多分有効成分に関わるが、純物質にするのは大層手間暇工場が大変なので一定限度不純物は含まれると思った方がいい。
これは製造が中国だからインドだから、ではない。精製という工程は馬鹿みたいに金もかかるし手間暇設備がかかる。えげつないほど環境を汚染する廃液を作ったりする。

本当に「効く」なら、医薬品として売られている。

これは、もう文字通りそのまんまである。

上限摂取量を超えても即病気になるという事はない。

上限摂取量ってのは、厳密に測られた何か、ではない。
そもそも、人間のホメオスタシスが適当に酸化したり分解したりして、一定の量に保つ。
その処理能力を超えると肝臓が痛むとか脂肪として肌に出て来るとかあるが、基本的に分解されて尿になる。

最低限、ここらを読むことを推奨する。

Fortify Your Knowledge About Vitamins
英語だが。まあそれでもこれぐらいの英語が出来ない人間が個人輸入サプリメント買う意味はない。
他、忘れがちだが、強く注意するべき事として。
精神疾患などで医者にかかっている人はお医者さんに相談して下さい」。
ビタミン剤そのものが悪いとかじゃなくて、飲み合わせで問題になることが多々あるので。
あと、腎機能や肝機能は定期的に検査して下さい。