一般に、治験と呼ばれているモノには、いくつかの種類がある。

論文、医療機構が検証 STAP細胞問題踏まえ :日本経済新聞」を見て。


治験という言葉が出ていたので。
狭義には、治験は、「薬や機械、あるいは施術の認可の為の臨床試験」である。が、最近話題のKyoto Heart Studyや、CASE-J、J-ADNIは、それらとは異なる。製薬企業主体・医師主体どちらであっても、「治験」ではない。
ゆえに、規制が、治験よりも緩くなる。

  • 厚生労働省の認可の為の試験
    • 臨床試験臨床試験(Ph-1~Ph-3)、市販後調査(Ph-4)
    • それとは別に安全性調査がある
    • 医師主導治験、が最近はしやすくなったと言われる
    • 手続き、データのバリデーションについては、Part11・GAMP5と呼ばれるルールが存在する。
    • 安全性については、ICH E2B形式による収集などがある。
    • 歴史は結構古いが、データの標準化は最近急速に進めようとしている所。基本CDISC。
  • 医学の臨床研究の為の試験
    • 各学会のガイドライン等あるらしいが、規制当局があんまり存在しない。
    • 手続き・データのバリデーションについては、普通の治験に比べて十年単位で遅れている。


製薬企業も、理想の体系とはまだまだなっていない。十分な余裕があってとは言い難い所でいつも開発してる。しばしば、上の方で要件詰め切れてないことがある。コアのシステムですら、一年かけさせてくんないし。そうなると、開発一ヶ月のテスト二ヶ月みたいなのしばしばある。
が、それよりもまだ酷いのは知っている。
ま、しかし、捏造とかやれる部署ってそんなにない上に、システムあんまり関係ないのよね。だいたい、データエントリサイドでゴニョゴニョしているか、統計解析の所でゴニョゴニョしているのだけど、そう簡単にセレクション出来ない(どういう理由でセレクションされているか(計画・計画外)分かるデータもある上に、一度登録してしまうとデータ削除も履歴とってるし。という所である。
が。
医学の臨床研究というやつは、規制がかかっていないわりには評価されやすいデータであるので、ここで製薬企業がお金を投入する理由がある。特にお願いしなくても、お金の為に敢えて酷い話は出さないということもあるし、大規模臨床であればあるほど「何か見つけられないといけない」というプレッシャーもある。