「ネイティブ広告ハンドブック」は、多分読まなくていいもの。

「ネイティブ広告ハンドブック」がここんとこ話題に上がってたが。


ぶっちゃけ、IABの“IAB Native Advertising Playbook”読む方が早い。
英語でも、あの悪文の日本語読むよりは余程時間の節約になるかと思う。
導入には、ただ、こんな感じにかかれている。

1.INTRODUCTION
Native advertising has emerged both as an exciting new way for digital marketers to engage with the consumer, and as a new source of advertising revenue for publishers.
“What is native advertising?” is a question that the industry has, almost frantically, been looking to answer since the term was first coined.
While countless definitions have been proposed by nearly every industry insider, company, and journalist, no universally agreed-upon one has surfaced. This is because, to a large extent, native is in the eye of the beholder, depending on where one sits in the ecosystem and the strategic and media objectives of the marketer.
This lack of agreement has caused confusion in the marketplace leading the industry to exert considerable time and energy debating whether or not various ad units are native rather than focusing on higher level discussions such as effectiveness and disclosure.
The 100+ member companies on the IAB Task Force convened with the goal of developing a framework that allows the industry to speak a common language
on the subject. Members discussed at length the variety of ad units currently being sold to marketers as being “native” and identified the six main types that can fall under this category today.

https://www.iab.com/wp-content/uploads/2015/06/IAB-Native-Advertising-Playbook2.pdf

日本語訳をだしている会社さんがあって、こんな感じ。

1.イントロダクション
ネイティブアドは、デジタルマーケターにとって消費者とエンゲージするための魅力的な新しい方法として、また媒体社にとっての新しい広告収入源として誕生した。この単語が最初に誕生して以来、業界は「ネイティブアドとは何か」という問いに対し、答えを探し求めている。業界内の関係者や企業、ジャーナリストなどによって無数の定義が提案されてきたが、普遍的に合意された定義は未だ存在していない。これは、エコシステム内での位置づけや広告主の戦略、メディアの目的など、見る者の視点によって「ネイティブ」の意味が変わってくるところが大きいためである。
このように普遍的な定義がなされていないことが、業界の混乱を起こしている。業界では、ネイティブアドの効果や広告の明示性の原則といった具体的な議論に焦点を当てるのではなく、その広告が「ネイティブアドかどうか」という議論に多くの時間と労力が割かれている。
そのため、業界内における共通言語となりうるフレームワークの開発に向けて、100社を超える参加企業により構成されるIABのタスクフォースが設置された。長い議論の末、タスクフォースのメンバーは、現在「ネイティブアド」として広告主に販売されている様々な広告を分類するための6つのカテゴリーを明確にした。

http://www.dac.co.jp/press/pdf/20140619_iab_nativead.pdf


比べて、JIAAのネイティブ広告ハンドブックというものは、

I.「ネイティブ広告」とは何か?なぜ注目されるのだろうか?
マス広告と比べて格段に新しい広告の世界であるネット広告の世界は、新陳代謝が激しい世界でもあることを我々は目の当たりにしている。世界で初めてのスパムは1978
年の3月に生まれ、80年代には「パソコン通信」におけるポータル画面の中にクリックすることがまだできない“画像広告”が誕生している。当時は企業各社が“ホームページ”なるものを持っていない時代だったから、「クリッカブル」という仕様は必要がなかった。1993年、米国のGlobal Network Navigatorというポータルがとある弁護士事務所へ提供した広告が、世界で最初のサイトへリンクする「クリックできる広告」だと言われる。そして翌1994年にはHotWiredという米国のメディアが“バナー広告”という名前でAT&Tに対して広告枠を販売した。アドサーバーは1996年に急速に普及期に入り、そして同じタイミングでバナー広告枠のサイズの標準化(のちの「IABスタンダード」)が進む。日本では、ほぼ同様の時期にポータルサイトが次々と立ち上がり、広告会社各社がメディアレップを作り、そして国内のネット広告市場が拡大していく。日本のデジタル広告業界の始まりはこうした動きが次々と起きた1996年であると言われており、2016年にはちょうど20年の歳月が経ったことになる。
この20年の間に、様々なネット広告の仕組みが出現してきた。最も原始的なところでいえば、“バナー広告”の時間帯別配信から始まり、デモグラフィックなターゲティ
ングという広告配信に関わるもの。次に、FlashJavaScriptがもたらした“リッチメディア”と呼ばれた動的なネット広告などの広告フォーマットに関するもの。そして検索連動広告やソーシャルアドのようなユーザーが利用するプラットフォームそのものが新しく、そしてそれらの仕様にあった形で掲出される広告形態。そしてPCから
フィーチャーフォンからスマートフォンタブレットに至るモバイルまで、デバイスの多様化によるネット広告の多様化。RTBやプログラマティック、PMPといった言
葉で語られる広告取引の変化。すでにネット広告の歴史は相当のページ数を持って書けるくらいになってきている。
そして「ネイティブ広告」。業界関係者であっても、「また新語の登場か」という反応もあれば、「それは今までの記事体広告やタイアップと同じじゃないのか?」と
いう懐疑的な見方も多い。例えば後者であれば、「そもそも記事体広告やタイアップというのは米国などではなかった広告慣習だから、日本のほうが先を行っている」という誤った認識まで拡がっている。実際は、「ネイティブ広告」の主体は「広告枠」であって、記事体広告やタイアップのこと自体を指しているのではない。上述したよ
うなネット広告の歴史変遷の中で、「ネイティブ広告」ほどその実態が理解されにくいものはないのではないだろうか。
その背景には、そもそも「ネイティブ」という言葉が日本人にはピンと来ない単語であるということもあるかもしれない。「native」を英語辞書で引くと、「土着の」だとか「その土地固有の」、「その土地で育った」といった意味が出てくる。「ネイティブスピーカー」というのはすでにひとつの言葉として日本語化しているようなも
のではあるが、「ネイティブ」が「広告」に結びつく言葉になると「?」となってしまう。では、「ネイティブ」という言葉の反対はどういった言葉か?それは「エイリ
アン」がそれにあたる。

http://www.jiaa.org/download/JIAA_nativead_handbook.pdf

リンクを張っておく。いやホント読み比べて見てほしい。
IAB THE NATIVE ADVERTISING PLAYBOOK
https://www.iab.com/wp-content/uploads/2015/06/IAB-Native-Advertising-Playbook2.pdf
IAB ネイティブアド・プレイブック(翻訳:デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社)
http://www.dac.co.jp/press/pdf/20140619_iab_nativead.pdf


ネイティブ広告ハンドブック2017
http://www.jiaa.org/download/JIAA_nativead_handbook.pdf


前者を読んでから後者を読むと、タイトルで言っている事は分かっていただけると思う。