震災後の原発代替電源が、五年十年単位でしか準備出来ない、という話。

それは何故かと問われたら、当たり前に、建築にかかる時間ではなく、計画から合意形成着工に至るプロセスが、おおよそ選挙でもはさむ話だから。


自民党だろうが民主党だろうが、少なくとも政治を分かっている人間ならば、影響数万人に及ぶものの合意形成が容易ではないことぐらいは理解しておくべき。いや、無論、徴発とか「住民の合意を得ないで」実行してしまうことも、現在の間接民主政治では「可能」ではあるけども(どっかの都知事や府知事ならやってしまうことも可能だろう)、強引であれば強引であるだけでリコールが成立してしまう可能性がある。
民主主義政治には、決定には常に一定の期間が必要。


てゆーか、五年十年で用意出来るなら「十分早い」。


配管などの、発電施設特有の設備を載せる前に準備しなければならないことが沢山ある。
大型の建機を持ってくるために、道路の補強を十分にしなければならない、とか(結構重量は問題になる)。道幅も上げなければいけないし、各種の車を置く場所なんかも考えておく必要がある。
これは、風力発電開発を山でしにくい理由の一つ、水力発電で死人が良く出た理由でもある。海沿いなら大丈夫、とは行かない。崖にコンクリを注入し、道が崩れないようにしなければならない。
建築そのものも、耐震基礎を作るのに、時間はかなりかかる。特に、M9クラスのものに対する耐震構造というのは、基礎だけでも年単位で時間を掛けるものだ。配管も、現地において溶接しなければならないことが多い。


上記の問題ってのは、多少、とある選択をすることで軽減することが出来る。
それが、「発電所の横に発電所を作る」という技だったりする。これは、「分散化による電力供給」との天秤となる。
発電所の横に発電所を作る」と何が良いか。地域住民との合意形成が楽になる(既にあるものを増やすのは反対も少ない)。建築用設備などを作らなくて良いから建築コストも下がる。


まあ、現段階で、新規火力発電所の建設計画が発表されていない時点で、もう三ヶ月経っているわけだ。
現在賠償金などでてんてこ舞いな電力会社が建設に伴う費用を捻出することが出来ないのも自明で、この五年は如何に足掻こうが老朽化した設備を補修利用する以外に手はない。
そこから先は、この一年間でまともに動かせる計画をキチンと作れればよし、金・手間などを考慮しない状態での計画をしてしまうと、その計画の作り直しで幾らでも時間がかかってしまう。


今から計画して三年以内に老朽火力の建て直しでもなく発電所の増設でもない形式での火力発電所が建ったら、・・・・・・・って仮定がまあ成り立たんだろう。現状計画されている水力発電の発電能力を上げるとかそんな程度。現在の発電でも、「本当は違法状態での使用だったため停止されていた水力発電所が稼動しました」とか、結構「周辺の住民は背に腹変えられないから仕方なしにOKサインだしているだけ」だったりすんのに。