おそらく、id:rnaさんと、現行の児童ポルノ法についての知識はそれほどずれているわけではありません。
id:rnaさんは、出版物に対して被撮影者が「自分を写した児童ポルノに関しては出版の許可を与えることができるようにする」という修正が成されれば、と思われているように思いますが、それには、幾つかの問題があると思います。
一点目。
検印方式などの方法によって、「合法」出版物を作成することになりますが、検印以前の出版物に関してはやはり流通不可とするしか方法がないと思われます。少女写真集の被写体を探し出しその意思を確認する行為そのものが、過去の経歴を探ることになりますので、プライバシー侵害などの問題が発生するように思います。
二点目。
撮影自体が少年少女の性的自己決定に影響を及ぼす、ということは否めません。児童ポルノに際して親の影響が皆無な例ってのはありませんし、親子関係は18歳になると切れる、わけでもありません。極端に言えば、「児童ポルノの被写体になったが故に、性的認識が正常ではない大人になってしまう」ということがありえます。つまり、「大人になっても性的自己決定が万全たる大人になっているとは思われない」です。
こちらについては、正直ただの邪推です。が、いわゆる、「本来人間は自由意志がある」というのをどこまでやってよいのかというのは、常に懸案事項として自分の中にはあります。自己決定権万歳、とは思わないのですね。
三点目。
児童ポルノの撮影行為自体が現行法上どう考えても違法です。この辺りの整理も必要だろうと思います。
成人後当事者が追認したのが効果を発揮するとして、過去に遡って撮影自体が合法化するのか、撮影自体はそもそも合法と判断するのか。違法撮影状態で、出版物は合法というのはちと考えづらいです。違法行為による産物を、合法として流通させられるのか？と。
とはいえ、追認を行って契約が有効になる、ということはないです（無効と判断される場合には、追認が普通効果がありません）。
今のところ、お返事としてはこんな程度です。ずいぶんと遅くなり申し訳ありません。
私の想定では、児童と言えど同意能力が多少はある、という判断をして、誰か大人の認可をもらって契約が為されるべき、というので民事案件かなと。但しこれが実現されるには、「児童の同意能力の想定で、一律どこかで年齢などによる線引きは必要」で、例えば13歳や15歳などの年齢区分を設けるという形です。ただ、これでも、「実際、児童ポルノを商売にするのは親権者が多い」わけで、疑問です。
まあ、現行上、児童ポルノ法は、強行法規であると思われ、確かに公序良俗に反する契約として無効とされると思います。
追記。
別に法に詳しい訳ではサッパリないです。
どちらかというと、実際のポルノ界隈の推移はとても気にはなってます。三号ポルノ定義のギリギリで過激さを狙うような作品とかの行く末ですね。定義の縁でギリギリやってるので、児童ポルノ法がどんな定義になろうが恒常的に事件が発生するもんだろうなあと思ってます。
まあ、児童ポルノ出演が糧になるような女優ってのは、今そんなにないだろーと思うんですが。
サンタフェの件ですが、まあ、そもそも、アレが「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」として認定されるのかどうなのかってのは、正直どうなんだろうと思います。この辺り、何か児童ポルノと「ポルノ」（というか猥褻の）要件の違いが不思議な気もせんではない。そもそも、日本だと猥褻物頒布罪ってのがあってなーちうのがこう何とも捩れた感じはしています。
