「辻褄が合いやすいように宗教の方を変えてる」のが正。

私のなかでは、科学と仏教はあまり喧嘩してません - シロクマの屑籠」を見て。


大抵の人は、タイトル通りである。

私は機械論者ではないけれども、ダーウィニズムには無我夢中だ。精神医学だけを見つめていては気付けないような視点を、進化生物学周辺のディスカッションは提供してくれる。研修医の頃、トリヴァースやウィルソンの理論について知った時、私は震え上がった。私にとって、進化生物学は自分のモノの考え方を一変させるような、とんでもないシロモノだった。進化生物学は、まだまだ若く、試行錯誤の真っ最中な学問だ。けれども、ここには新しいアイデアと知見が凄い勢いで集積しているようにみえる。だから私は進化生物学方面の書籍を頻繁に買う。

私のなかでは、科学と仏教はあまり喧嘩してません - シロクマの屑籠

ダーウィニズムと機械論というのを、シンプルに比較して語ったりしているが、
まず面白いと思ったのは、おそらくシロクマセンセイは、他の人から「ダーウィニズムの中でもどちらかというと適応主義者(グールド的な意味で)」とみられるのが正しいだろう。
(参考:適応 - Wikipediahttp://cse.niaes.affrc.go.jp/minaka/files/MatsumotoShunkichi2.pdf
ちなみに、機械論というのは、還元主義ではないし、唯物論でもない。心を語る対象としていない、という方が正しく、生命現象において心というのを用いないという所であり、霊魂の存在を認めるか認めないかにおいて、「あっても生命現象には関係ないんじゃないかな」というような話が中心である。霊魂の否定というのは、あまり○○主義とは言いづらい。
まあ、中の人は外を眺める事が出来ない。自分がどういう思想・宗教観にあるのか分かりにくい。全て主観で構成されるのではなく、社会からの視点を借りざるを得ない。
そこについて、自分を分析するというのは本来非常に難しい話で社会の視点を借りるにしても、自分が掛けているメガネを外せないもので、ここでは非難したい訳では全くない。
そんな事するぐらいなら、「オタクのソロプレイを続けるためには、才能が要る - シロクマの屑籠」みたいなエントリを描く人間が、「『惑星開発委員会』の善良な市民さんは、極めて強大である - シロクマの屑籠」「甘えずに社会復帰しろ、という『惑星開発委員会』の呼びかけの届かぬオタク達 - シロクマの屑籠」「オタにつける薬としての惑星開発委員会の問題点と、副作用情報 - シロクマの屑籠」の辺りの話とどう本人の中で折り合いつけてるか、みたいなことを具体例として考えていく方が有用だろう。
余談だけど、神棚に上げたアレはやっぱり神じゃないっぽいなあ。


ある種の便宜主義、みたいなものが、日本人の宗教観に紛れ込んでいるような気がする。
敢えて、日本人と話を大きくしたが、クリスマスと盆と正月と、代表的なものでも、なんというか、神の似姿があんまり変えられないまま取り入れられる文化背景というのは、やっぱり他の西洋や南米とかとは違うように思える。
聖母信仰は、ヨーロッパの土着宗教との融合という話もある。ぼんやりした記憶だが、キリスト教の中でも聖人とされる人間の中で実在性が薄い人がかなりいたはず。そういう形で、幾つかの宗教がキリスト教に包括されていて、各地で有名な祭りの重み付けがちょっと違ったりする。有名な例ではハロウィーンとか。キリスト教に根拠がないので祝わない地域も多い。
そういう形に通常変容するものなのだけど。キリスト教での重要なお祭りとしての復活祭は結局取り入れられる事もなかった。
かと言って、キリスト教の宗教観が全く反映されていないのかと言ったらそうでもない。結婚式のウェディングドレス着る為に、一時的にキリスト教徒になるというようなよく分かんないやり方をやってたりする。そういや、日本で結婚式を神とか仏とかの前でやるようになったのはTVのせいっぽい。元々氏子・檀家制なので、わざわざ有名寺社に行く必要が宗教上も存在しない。
細かく突っ込んでいくと、日本人は宗教に寛容か不寛容か、非常に分かりにくい例に幾らでもぶち当たる。どうやら、にわか信者でも怒られない(怒るなら排除)という形が出来上がっているようだ。


日本語の「神」や「宗教」は、どうも「God」や「Religeon」の扱う次元とはズレているんだよね。
思想・哲学、その辺りと渾然一体をなしている何かだと思う。


あと、例えばクリスマスに関して、「無神論者なのでクリスマスに対して厳しい意見を言う」というのはあまり見掛けない。
いや、まあ、サンタクロースを撃ち殺そうとしたりする人達はいるけどさ。
何の福音も貰ってなさげな昔のIT戦士とか、でもどうして信じてもいないクリスマスにあれだけの事が出来たのか。
やはり、日本人の中でクリスマスは祝うものらしい。


今年はがんばります。