喫煙の害のメタアナリシスの話。(※個人の感想です)

www.anlyznews.com
で上がってた話で。

承前:統計処理が正しい計算であっても、そこに到る道が十分耐え得るかの検討は別途必要。

ここは流石に論文書いた人をかなり信頼せざるを得ない所。
幾らか、「出版バイアスがもしかしたら検出出来るかも知れない」方法はあるが(Eggerのとか)、Funnel Plotの前提がつく上に、あくまでも指標程度と捉えた方がよい。
わかりやすくスライドになったものには以下のようなものがあるが。
メタ・アナリシスの入門
あとこんなの。
[疫学レクチャー第5回] 疫学メタ解析のよみかた|Topics

パッと見印象

  • メタアナリシスの元となる研究があまり等質に思えないがこの辺りが微妙。
    • RCTではない、コーホート研究と症例対照研究が混ざるなど。
    • 年代の広がりは個人的な経験上危険性があるなあと思う。
  • 研究を等質的に考えた、fixed effects modelが使われているがそれでいいのか。

ザックリとした問題点の説明

  • 統計処理で上手く出たから説明出来た、とするのは端的に言って間違い。
  • メタアナリシスには限界があるが、あまりその所に言及されず確たるものとして喧伝されてしまってる嫌いはある。

気になる所。

Pooled relative risk and 95% CIs were calculated for the effect of SHS on lung cancer using a fixed effects model, or random effects model, depending on heterogeneity between studies.
We tested heterogeneity with Cochran's Q statistic, with P < 0.10 indicating heterogeneity and assessed inconsistency using the I2 statistic.
When significant inconsistency was determined (I2 ≥ 50%), the random effects model was used to calculate pooled relative risk.
When inconsistency was not significant (I2 < 50%), the fixed effects model was used.

Secondhand smoke exposure and risk of lung cancer in Japan: a systematic review and meta-analysis of epidemiologic studies | Japanese Journal of Clinical Oncology | Oxford Academic

fixed effect modelかrandom effects modelかを、heterogeneity testの結果で切り替えるのはちょっと感覚として嫌なものを感じる。
例えば、やってる期間が同じ、選択除外基準も同じ、同じ効果を確認しつつ、人口統計学的にも特にどの研究もそんなに外れてない、ってんなら等質かなと思って、fixed effect modelを選択するのはあると思う。でも、その大前提となる所がどう検討されたのかはちょっと分からない。

念の為。

単純に、研究毎の分散とか出てるものが「違う」ので、研究が等質ではなさそうに思える、という所であって、
「いや、それでもこの研究の結果がばらついているのは偶然の誤差のせいだ」とか考えるのであれば、fixed effect modelでいいのかと思う。
しかし、RR or ORって、嫌な表作ってんなあ。

余談

論文を元にして話しないなら、論文いらないんじゃないですかねと、ブコメ見て思いました。