献血ポスターの話だけにしときゃいいものを、赤十字の所に書かれているような薄っぺらい倫理観を金科玉条のように掲げるのは勘弁してほしい。
売血出来なくなった人は、生活保護に落ちていったし、治験でも2000年代でも、明らかに肝臓の数値の悪い人でも小銭の為に参加してそうだなあというのを見た事もある。
献血を無償としてじゃあ貰えなくなった金の代わりに社会が面倒見たかというとそんな事はなく、高度成長期の終わりには原発作業員とかで西成から向こうに行ったとかそんな風に不可視の存在として流れに流れ、売血が汚れてるってその人達の健康状態が改善される訳でもなく、終の棲家はどこぞの町外れの病院で身寄り不明で一杯管付けられて人生終える人もいるんだよ。
脱いでる訳でもない巨乳?のキャラのポスターで倫理観だとか言っても、場末の献血ルームに漂う少しばかりの匂いの中では、不思議とキレイな社会ばかり想像してたんですねと皮肉の一つもいいたくなる。
献血車は素敵なタワマンの下に止まる訳じゃない。職安で血を集め、警察学校で血を集め、運送会社や肉体労働者日雇い労働者から血を集めている。
売血じゃないから粗品で返礼だが、ボランティア精神を押し付けられるのは結局貧困層だったりするなら、それは倫理的なのかという疑問は沸く。アメリカの売血は今品質管理されていて日本のよりは安全だと思うぞ。日本は献血のHIV陽性率は高めだしな。
そんな簡単に倫理的なのかどうかと言えるもんではないのだが、少なくとも、非実在な人間のポスターの乳の大きさ云々や吹き出しの内容云々よりは、現実にある問題の方が悩むに値する問題であろうと思うのだが、どうもネットではそうではないらしい。
赤十字だって、タダでもらった血液を、一万か二万かで売り付ける商売も別にすごく儲かってる訳でもない。必要だから足りないからやってるものでもあるし、献血はボランティアの幻想を守る為にアメリカからまだ買ってるよ。中国人の血がどれくらい混ざってるかは分からんが、ちゃんとクリーンになるように処理をして。
ああ、正直な、人ってつくづく醜いよなあとは思う。