うーん、言葉が足りない。

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濃硫酸の説明は、多分ちゃんとした方がいいとは思う・・・・・・

濃硫酸といえば紙や砂糖を炭化してしまうほどの強力な脱水作用と強酸性という2つの危険な性質を持つ、危険な薬品の代表格です。

【ガチ】濃硫酸が目に入りました。目はどうなるのか? | みくあす令和ラボ

濃硫酸は、酸性度としては「弱酸性とは言わないまでも強酸性とは言いづらいな」というものです。ただ、巷の強酸性についての説明があんまりいいのがないので、簡単に。
強酸というのは、水に溶かすと水素の部分を100%オキソニウムイオンとして放出するやつ、という感じなのですが、硫酸は100%は離れないです。2つあるH+のうち、1つはほぼ乖離するのですが、2つめが微妙という感じで。
ただまあ、弱酸と呼ばれる酢酸とかと比べるとかなり離れます。


なお、ついつい「水溶液」前提で考えがちなのですが、濃硫酸は「水溶液というには水が足りない」というやつです。水の2倍まではいかないけどより重い。



濃硫酸の性質で大事なのは、強力な脱水作用の他、「酸化力」で記載した方がいいかと思います。
あと、硫酸の取り扱いで注意する事がもうひとつ、「不揮発性」ですね。

気を付けて取り扱った方が。

時刻は19時過ぎ頃、濃硫酸の入ったビーカーを廃液タンクへ運ぼうとした時にその事故は起こりました。

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他の水溶液も貯めるような廃液タンクの場合、これは全く勧められないやり方で、そうでなくてもあまり勧められないやり方です。
面倒でも中和してから廃液タンクに貯めるようにしないと、廃液タンク内で色々危ない現象が起きます。

保護メガネが顔から脱落し、それが持っていたビーカーに直撃。
ビーカーを落としてしまい、中に入っていた濃硫酸が飛び散って僕の左目に入るというミラクルコンボが起こりました。

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ビーカーの持ち方としても、正しい持ち方は、片方の手を底に添えた方がいいです。
多分濃硫酸扱う時によく紹介されていると思います。
側面に滑り止めとかついてないと思いますので、大抵滑って落とします。

対応方法ももう少し。

幸い、水道のすぐ近くで作業していたのですぐに目を洗うことができました。
「薬品が目に入った時は10分以上目を洗浄する」というのを覚えていたので、やりすぎだろうというぐらい目を洗いました。

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ちなみに、メルクマニュアルでは30分以上、でした。「5分以上」としているところもあります。まあ、流水で目を洗うというのは、機械的に水で洗い流すという事なので、長さはそこまで気にしなくてもいいかもですが、相手は硫酸なので残ると後になって侵食するというのがあります。なお、緊急対応用に目を洗う蛇口がある実験室もあります。

冷やすのをやめるとじわじわと熱くなってくるので何度か氷で冷やしながら、この後どうするか考えました。
時刻はもうすぐ20時、今から病院に向かっても間に合いません。
一応目は見えるし大丈夫だろうと思い、病院に電話して翌朝診察の予約を取りました。
一晩寝たら少しは良くなっているだろうと信じて寝ることにしました。

【ガチ】濃硫酸が目に入りました。目はどうなるのか? | みくあす令和ラボ

これは駄目で、救急車呼んでいいケースです。少しでも残っているとタンパク質が影響を受けて不可逆的に変性したり、加水分解反応が起こったりはします。加水分解反応は、アルカリの方が進みますが、酸でも溶けます。
ちなみに、バッテリー液くらいの希硫酸でも、失明した事例があります。

なお、タンパク質を6Nくらいの塩酸で加水分解させ、水酸化ナトリウム水溶液で中和すると、化学調味料が出来ます。

たまには学生時代の教科書を見るのオススメ。

化学だと安全についての授業が必須になっていたかと思います。卒業して20年経ちますが、未だに持ってますよ。

ちなみに、衣服についたとかであれば、重曹使いながら中和もやるとかがいいと思います。目だとちょっとむずかしいけど。