一応申請ごとのお約束として、厚生労働省配下のPMDAに相談(まあまあ高い)した上での申請となるかと思いますので、PMDA等は当然通す予定で審議会に案をもっていくのですが、薬事審議会で覆る事はあります。てか、そうじゃないと薬事審議会に有資格者を持ってくる意味がありませんので。
ただまあノルレボを取り囲む状況として、特に不安になるような情報は薬事としては出て来てませんので、試験段階から先に進めるのかというところにはなります。
幾つかの薬局では試験的に販売されていますので、「ちゃんと問題が起きてないか」ってのも重要です。
そもそも「特定要指導医薬品」というカテゴリを新設したばかりなので、厚労省もこれを推進したいとは思っているとは思いますが、わざわざ作った制度だからと言ってボロイ審査されても困るしなあ、ちう事で、慎重に見守って下さい。ここでこけても制度が消失してしまう可能性もあります。
特定要指導医薬品、というカテゴリは、要指導医薬品のオンライン販売が可能になるという事から新設されたものです。微妙な気持ちにはなりますが、日本のオンライン販売がどのような地獄になるのかよう分かってませんので置いときます。
既存の事業者が無茶する事はないと思いますが、怪しげなオンライン専用薬局とかが出てくる事が予想できるのが個人的な懸念点です。
濫用で考えられているのはホントにそこで、要はノルレボのSNS市場とかできると困るわけです。
医薬品の無許可での転売は禁止されているのですが、一般人でも平気で儲かりそうならと転売します。
www.itmedia.co.jp
www.tokai-tv.com
メルカリは出品禁止ですが、Amazonは国をまたぎますので怖いところはあります。一応ship規制とかはしてると思いますが、元々海外個人輸入でとかは法規制外なところがあり(麻薬相当のものは国際条約で禁止されてるので無理ですが、ダイエット薬とかで違法成分が混入しているものが入ってくるケースはあります)、オンライン解禁は結構用心されてます。
DV夫が妻に強制的に買わせる、とかが主体となるものではないです。そうじゃなくて、薬ってトレーサビリティから確保されているものなのですが、転売とかの民間に入ってしまうと追跡が不能になりますし、オンラインというところに闇が大きいのです。
ジモティとかだったら我々の想像の範囲内ですが、昨今X等のSNSで闇バイトとかの入り口開いてるじゃないですか。そんな感じです。
医師や薬局に知られずに購買するのに、値段が数倍しようが買うという人はいます。
そこに目を付けるのが、小悪党ですよ。いやマジで。
媚薬とかのセックスドラッグってなんでか売られてますけど、そういやMIX師が混入して問題になってましたが、この手のジャンルのものはしばしば厚生労働省に薬事法違反で捕まってます。
例えばこんなの。
https://www.mhlw.go.jp/content/11126000/yokohama.pdf
結構、悪用の幅はパッと見えないもんと思っていただければ。まあ言うても、だからと言って承認しないという理由にはならないと個人的には思いますが。
どうやって正しい知識を広めていくかという課題はあります。
あとまあ、正直オンライン絡みがなんで慎重なんかというと、そういう事やる薬局や医師があんまり信用ないからです。
いやまあ、推進する人はオンライン診療の可能性を過大に評価してますしそういうものですが、深く検討するという事がやられてないように見えます。オンライン診療とかを上手く出来るかというと、オンライン会議よりずいぶんとハードルがあるのですが、そこ言及している人少ないですよね。*1
まあでもねえ、こういう慎重さって持ってても飯の種になってくれないんよね。
あとですが、この特定要指導医薬品ってカテゴリで認定されたとして、あんまり使用量は増えないと思います。
アメリカとかでは、年齢関係なしに気楽に薬局で買えるアフターピルがあります。ハッキリいいますがコンドームつけてねえとかコンドームが敗れた場合とかに使われてます。とはいえアメリカ全土でそうであるわけではなく、州単位で年齢制限とかありますので注意が必要です。ただ、避妊という事で中絶よりは楽です。中絶は認められていない州なんかもありますのでかなり注意が必要です。
正直まだまだ緊急性の為の対応とは言えないところがあります。
アメリカに比べて医師へのアクセスが格段にいい日本では、いつでも駆け付けられる病院と平日9時5時基本で、土日に薬剤師がいるのが微妙な薬局という変な関係にあります。薬局の方が24時間365日には全然対応されてないんです。ロキソニン入手で滅茶苦茶遠方までいかないと入手できないとかありました。なので備蓄する事になるんですが、この特定要指導医薬品とか家庭に備蓄するもんじゃないじゃないですか。
アメリカでは大学構内に緊急避妊薬の自販機ありますからね。
性犯罪が米大学内で横行「キャンパスレイプ」の実態 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン
アメリカの若者の間で「永久避妊」が爆発的に普及している理由とは?|Lifestyle|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン)
まあ、そもそも、日本型の社会とアメリカ型の社会では性に関する事にニーズが違うんじゃないかという気もする。
性経験の世代差と国際比較|カモシダ
そりゃあこんだけ違えば、緊急避妊薬の必要となるシーンも違うんじゃなかろうか。
何故若年層が重要なのかというと、彼らは当然ながら出産するにはあまりにも身体的経済的問題が大きいからです。
そもそも体が出来上がってない時にガッツリ栄養もっていくからなあ。
個人的には、AED普及してんだから同じように緊急避妊薬置かれててもいいんじゃないかなという派です。
でもそうすると、売り出している製薬会社の商売の仕方が難しくなるかもしれん。まだ値段が万あたりじゃないですかノルレボって。
これってあと五年くらいで独占期間切れる、ジェネリックが引く手数多で待ち構える領域(市場の大きさにもよりますが)なんすよ。今の新薬と違って、製造のハードルとか全然ないし(まあ原薬というものを簡単に輸入できるし)。降圧薬とかの生活習慣病の薬なんかラムネくらいの値段なのに(一か月飲み続けるのでも千円いくかなくらい)、その値段が半額になったとしてもねえ。これ抗がん剤になってくると、複雑なとか生物由来製品だったりとかで、そもそも化学プラントではなく生物使うとかの困難さがあります(インフルエンザワクチンは鶏卵使いますが、今の生物由来製品は細胞を培養してとかの実験室レベルのものを無理矢理工業化したようなのも多く、製造装置が一級品のお値段したりします)。
あとまあ、日本の女性の性生活を大変革する可能性はあります。
ただ、でもですよ、今日本少子化じゃないですか。正直事故ってもらってそん時のパートナーに責任取ってもらう出来ちゃった婚が滅茶苦茶増えてもいいんじゃないかなと思ってます(過激派)。
正直、そういう社会の変革みたいなのって、安直な楽園もなければ悲劇でもない、現段階の我々にはあまり予想の出来ない事じゃないですか。それよりちゃんと予想されるサイクルが回るのかという事をもっと考えた方がいいと思いますよ。悪い人たちも闇バイト簡単じゃねえなってところから、こういう所に出てきたりするんで、そういう悪しきルート潰して法整備考えるとか、やる事色々あると思うんですよね。
*1:ライティングから画質、光線の入り方等の水準が絶対必要だしそういう事のチェックも必要だと思うのですが、そういう事に対してのチェックツールないんですよね。つまりはそういうところとか誰も気にしてないんです。診療の質を高めるとか考えてなくて、いかに安くで手持ちので出来るかとかしか考えてない。いやまあ大概の会議システムに調整機能ありますけど、色々なパーツがバラバラにありはするという状態なので。