いや、まあ、
大学の自治寮なんかは、人が入れ替わりつつも自治精神みたいなのをずっと引き継ぎつづていて、ああいうのができないかと思ったりしたんだけど、
大学の施設ということで金銭的に余裕がある
大学生に住人が限られることである程度の秩序を保ちやすいという面も大きかったなあ、と思う。
クラブやサークルの部室とかもそういう面があって、学校を出てから新しくそういうの作るといろいろ大変だなーと思う。
シェアハウスについて考えたこと - phaの日記
まあ、吉田寮の昔の話しますね。
自治のコストは結構掛かる。
自治寮っつっても、寮母さん分の経費はかかってたし(まあ100人超える所なので二三人は仕方なし)、根本的には、修繕費かかってます。
網戸もタダじゃないしガラスもそう。床板も補修するのには材料費かかってます。
人件費は圧倒的にかかってないですけど、それほとんど寮生が担ってたからで、細かい所では自転車自動車の管理、不法駐輪の撤去、補修の調査とか補修の実際、畳の入手とかも含め、結構寮生がやってました。多分今もそう。
水回りの事ではトラブル多いし(諍いという所で)、毎月議決事項もある。総会と呼んでたものは月一開催で晩の九時から早くて十二時まで、遅くなると二時三時ザラ。
印刷機を外部団体にも使わせてたけど、鍵開け使用立会金回収、全部寮生でやってたし(一例ですが)、寮食堂も運営会議とかで、ここら辺になってくると寮生だけではなく利用者にもお手伝い願っていた。
部屋割り当てもテトリスのような難易度もあり、わりと年寄りは融通を効かせてもらうというようなやり方で乗り切ってた。
自治寮、大抵は大学当局との団交がつきもので、シーズンごとに学生部との団交は必須、近年だとまあ副学長とかですかね。学長団交もやりました。
ま、これ必須。
運営人の入れ替え方(執行委員会から見た)
二年目の人に執行委員長やらせる。
というやり方が基本だった。
要諦としては、寮のお仕事というのは、そりゃ興味なければ全体をみる事はないんだけど、たった百人超えてる程度の寮であっても、大きくは文化部だとか庶務部だとか厚生部とか、年ごとのイベントとしても廊下のワックスがけや中庭の草刈りや共用スペースの大掃除や、結構あるもんです。
水道から赤水出たりすると、じゃあ誰がするの→寮生!という事なので、そこら辺もある。
網戸を張るのは自分たちにしても、その材料は何と言ったら学生部から貰ったりバイト先からいらない畳貰ったり、やり方は多分にある。
印刷機だって、補修とかリコーのメンテナンスが勝手に来てくれるわけでもない。
ただ、そこら辺の知識は、全て寮内でまかなっている訳ではない。意外と、寮生が所属するサークルからの知識というのも伝わってます。
そこら辺、当然ながら知っている「古株」がやれば事ははかどりますが、それやってると寧ろ新人と古株の権力の差にもなってくる。
んで、執行委員長は若者代表として頑張って頂く訳です。
名主が頑張ってはいけないんです。
誰かが回す、からある訳ではない。そこにいる人の総意が単に年輪として見れば「回ってた」だけ。
自治寮にいる人の主役は、自治寮にいる人使う人のものであり、かつていた人のものじゃないです。
根本的に、自治寮の精神ってのは、「居るやつが居方を決める」。
無論、将来的な事は考えてもらいたいですが、今居るやつが自分たちで廃寮決めたなら、それは残念には思うし文句も言うけど(五六時間ぐらい)、「伝統を守るべき」とかそういう意味ではなく。
全ての事は議論で決めるし、総会は全員一致の為に異様に手間かけますが、それはそれだけの価値がある。今の人が決めた事に対して、そして、中の人が自治をするという事に対して、誰も侵害する事が出来ないです。せいぜい建物を潰すだけ。
フリーライドもしようがないんですよね。自分自身にどうやって乗っかる事が出来ますかね。
そういう精神性みたいなものは、誰かが誰かに引き継がせるようなもんじゃないです。