怒り方にもいろいろ方向があると思う。

消費者はもっと怒るべきだ〜アクリフーズ事件 | FOOCOM.NET」を見て。
腹立ちは尤もだとは思うが、指摘の方向が良く分からない。

15000ppmや26000ppmという検出濃度から見て、これは犯罪に違いない。斎藤勲さんが本誌コラムで書いている通り、マラチオンが食品の1.5%や2.6%を占めていたのだ。農薬製品の原液をそのままかけるようなことをしないと、この濃度にはならない。

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なぜ、第一報を出す段階で、グループ内部のチェック機能が働かなかったのか。どうして、科学的根拠を固めて公表しなければいけない文書が、その根拠を判断できる社員のところに事前に回らなかったのか。そのあたりに、この企業グループの大きな問題が隠されているような気がしてならない。

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腹立ちは分かるが、品質管理部がどんなにがんばろうが、生産工場で誰かが毒物を一部の商品に混入した、という場合に関して検出出来るかは、「運」。


品質管理については、「原料」をチェックして品質を確認はするが、手続き通りに物事をやれてるか、という観点でプロセスも監視されているが、
「犯罪行為を出来ないようにする」という観点では監視されてはいない。
当然ながら、マラチオンをぶっかけるような工程があるわけではない。


科学的根拠、と言いつつも、「この濃度だと○○」という知識はほどほどでいいと思う。
というか、この検出された数値が、この手の犯罪を考えるに重要な指標足りうるか怪しい。

 「コロッケのコロモの2.6%、中身の0.4%がマラチオンだった!!」本来ならばこのような形で表現すべきものではないだろうか。㈱アクリフーズ群馬工場製造のコロッケから検出された、マラチオンの濃度である。1月7日のメディアの見出しには、コロッケのコロモ部分から260万倍、中身が40万倍のマラチオン検出となっているが、何の260万倍かもわからないし、その異常さも伝わってこない。

コロッケのコロモの2.6%、中身の0.4%がマラチオンだった!! | FOOCOM.NET

本当にそのパーセントでコロッケが出来ているか、が微妙だ。
全部潰して検査したのか、辺りをチェックしてないのでなんともだが、「マラチオンが振りかけられたかもしれないコロッケ」のそのマラチオンの量を推し量るのに妥当な方法が取られたのか?という事を考える。
「コロッケを何個食ったら死ぬか」みたいな事を、この手の犯罪行為で明言する事は非常になんというか、「科学的根拠というにはアレ過ぎる」。
ちなみに、この単純計算の方式だと「農薬をかけた」ではなく「農薬に浸した」パターンになる筈。


おそらくは、中国の毒入り餃子事件と同様な、ppmとかでお話しても仕方がない事件に思われる。
意図的な混入は抜き取り検査でもHACCPでも防ぎがたい、というか、まあ、抜き取り検査やHACCPの事を知っていれば回避操作出来てしまう。
繰り返すが、衛生管理の次元じゃない。企業コンプライアンスの問題で、想定するべきモデルが異なる。


余談とはなるが、マラチオンはかなり臭う。
死ぬほどの量は入っていないと思うし、そうなってくると犯人の行動もかなり多岐に渡る事を想定しないといけない。


あと、一個食うだけで気分が悪くなるようなものを、毎日食うことで健康被害が出る量で危険性を示そうとするのも違うと思う。
それこそ、つりだよねえ。