コンパートメントモデルというやつ。

プロセスシステム工学とかだとまああえてコンパートメントモデルとか言わないのだけど、主に臨床薬理の数値解析で出てくる感じだなあ。
なお、感染症でのコンパートメントモデルがあって、SEIRモデルとかある。
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数値解析の話。

数値解析 - Wikipedia
まあ。
簡単にイメージを伝えると、例えば分子運動とかを数値解析する場合には、

  • 分子間の力はだいたい原理的に基礎モデルはある。
  • 分子が多くて代数的には解がない。
  • じゃあ微小時間に区切って逐次加算していけばいいんじゃねえの?

というのを計算機などを使って力技でやるのが数値解析である。

収支の基本

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これらはプロセス工学では物質「収支」と言ったりするが、要は物質量不変の法則なんかをベースにして、微小時間でどのようになにかが増減するかを考える時に使う。
物質収支だと

  • モノが系に入ってくる量
  • モノが系から出ていく量
  • モノが生まれる量(例えば化学反応で)
  • モノが消失する量

この四パターンについて考えればいい。化学反応であれば、反応生成がモノが生まれる量になってくる。


それぞれを区切って考えるモデルが、コンパートメントモデルといえる。

SEIRモデルで考える際に考えられているコンパートメント

  • Susceptible
    • 未感染者
  • Exposed
    • 感染したが発症はしていない、伝染はさせない
  • Infectious
    • 発症者
  • Recovered
    • 回復し免疫を持った人

S→Eとなる速度、I→Eとなる速度、I→Rとなる速度それぞれあるが、そこはかなりゆるい条件で考えられている。
S→Eとなる速度は発症者の人数(全人口に対しての割合、簡単に言い換えると、例えば遭遇頻度とかになってくるか)に比例すると考えられている。濃厚接触しやすいしにくい等の細かい条件は考えられていない。I→E、I→Rは病気の種類によって速度が決まっている。


ついつい、「もっと正確なモデルを」と考えもするが、とは言え、これ以上複雑にしても情報が不足するので難しい。

現実から感染数を予想する事はもっと難しい。

見えている情報は遅延があり、また不完全である。特に感染したが発症していない人の数は読めない。現実の感染機会がのべーっとした理想的な感染の仕方を初期する訳もないので、結構その影響は無視出来ない。どうしたものかなあ。
一見すると当てはまりそうみたいなところを無理に当てはめても、見えない人がどれくらい読めるかは想定しづらい。