無駄に中間解析している訳ではない。
当然ながら、著効であれば、ここで大きな差が出てくるはずなんですよ。製薬企業の治験でも中間解析は結構ありますが、今回のような迅速審査の為ではなく、継続してよいか確認する為にやります。
- 効き目が弱い→例えば某お薬みたいに、飲んだはいいけど一日くらいしか治りが早くないとかだったらあんまり意味ない訳ですよ。副作用が明らかになっている度合いがかなり低いのもあって、分かってないものを飲ませるリスクというのはあります。
- 副作用に問題がある→飲み方とか利益とのバランスもあるんですが、死亡した場合には大抵アウトです(がんはちょっと違うけど)。胸焼けとかだったら対処のしようがあるのでいいのですが、どうもアナフィラキシーショックが多めに起こるとか分かったのであれば、治験の人数100人超えないってのは、1%以上の割合で発現しているとかになるので。一応、催奇性は人体実験では調べません。中出しセックスしない限り安全であるし、どーんな催奇性のあるものでも、薬であるならばひとつきもすれば絶対抜けるから(抜けないのは薬の設計としてそもそも駄目)
中間解析で有効性が立証されなかった場合に、これ、40人くらいらしいですが、これが倍になったとしても、有効性が立証されない可能性は高いです。
多分試験の選択基準の問題、この感染症の問題があって、薬が投与されなくても治る人が選ばれてしまっている可能性がかなりあります。これ、軽症者で、最初からコロナウィルスに感染している人をターゲットにしてますが、試験参加って即日可能ではないです。最速でも翌日以降、条件見ていると二週間以内という事なので、一週間弱くらい経過してしまっていて、投与前に既にだいぶ治ってるんじゃないですかねという。
実際、悪くなっていきそうな人に登録していただく事が出来てないと思われますし、まあ無理でしょうからね。
統計解析で有効性が見えてない場合に、でもやり続けるってのは、統計を蔑ろにしてはいるが・・・・・・
残りの方々から得られたデータによって、有効性が確認されたーとか言っても、それは試験デザインとしてホントにランダマイズちゃんとやられているのか怪しいなーというお話にもなりますし、社会の要望としてのアビガンは、もっと効果があるというところではないかとも思います。
ただ、継続する事には意味があり、今野良でアビガン使われてますけど、軽症例には使っても意味はない・軽症者意外とウィルス生産していない、とかそういう結論になってくるのではないかと。
少なくとも、「今その気配がないものをデータが整ったら出てくる」というのは、正しい推論ではない訳です。まあ、前のめり型の推論です。
一応理系の学部でやってたので、そういう風に結構科学者は中立でモノを見ていないのは知ってますけど、私らはそうやって前のめりになって開発されている過程で話がポシャる事は結構見て来ています。当たり前にある話なんですよ。だからこその人体実験な訳で。
早期承認だからと言ってエビデンスが不要とかになる訳ではないので安心を。
ある程度試験が端折られるのはあっても、とは言え試験は今アビガンでも複数走ってます。雑に承認されたとしても、だいたい「全国の症例の情報集めといてね」みたいな付帯条件が付きます。承認されたら終わりではなく、製造販売後の再審査もあります。
有効性は今のところわかんないけど承認、という事はないです。別の治験実施計画を作って、もう少し有効性を見出だせそうな条件でやると思います。
そもそも今の段階で80人完走していないので、新規患者が減少している今、完走が怪しいです。