大麻に関しての認識が、カタログ見て想像している状態に見える。

anond.hatelabo.jp

ただ世界的に大麻は「麻薬」とは考えられておらずWHOでは麻薬のカテゴリーからも外れました。

これは端的に言って、「説明としては間違い」です。
以下、参考リンク見てほしいですが。
www.dreamnews.jp


WHOが関わっている麻薬単一条約では、大麻はスケジュールIVから外れたのですが、スケジュールIからは外れていません。
ja.wikipedia.org
ちなみに、今、大麻の成分であるCBDは合法という事になってますが、このあたりの変更が影響しております。ちなみに、「WHOってのは、いろんな国が参加し議論するもの」なので、当時スケジュールIVから外す事を日本は反対はしていましたが、条約としては解除されました。


でも、規制物質では相変わらずあります。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は大麻(薬物)で逮捕・拘留するようなことは過剰な対応であり人権侵害と声明を出しています。


これは、「説明としては誤解を生む表現の仕方」であると思います。
OHCHRは、薬物犯罪全般に関して、「個人」使用や個人用の所持に関しての非犯罪化、治療をという事を言っているのであって、「安全だから大麻を消費して良い」というものではありません。逆です。「止める事が出来るなら止めさせたいし、減らせれば減らしたいが、そうは出来ない場合でも健康を中心に据えて健康を害する事を減らす」というのが目的です。
news.yahoo.co.jp
あとですね、OHCHRはもう少し犯罪が頻発する社会の事を想定して言ってます。

また日本の人達が信じている「大麻の害」についても現在はほとんど支持されていません。
依存性、ゲートウェイ理論、治安の悪化、合法化後の交通事故の増加、健康被害、どれもこれも**科学的に**否定され続けています。

依存性に関しては、2007年Lancetとかでまとめられてましたが、弱いながらも依存性はある、という事になっておりますが。
このあたりは、以下のリンクが参考になるかと思います。
www.pharm.kyoto-u.ac.jp


一つ、時々統計に関しては、疫学的にちゃんとした調査、くらいならばともかく、「合法化後に交通事故が増加する」というような形の立証というのは、おおよそ上手くいかないものだよ(有害性を立証するにも無害性を立証するにも、傍証ぐらいの話)、という事は言っておきます。
難しい統計の理論とかは置いといて、時系列的に前後するデータが並ぶ場合に、大抵は時代による外部要因が入って来たりします。無論、「大麻こそが交通事故の原因である」というような主張にはならないわけで、交通事故を減らす為に「大麻を禁止しよう」とはなりません。


あと、上のリンクのゲートウェイ理論に対する意見にあるように、個別では実証的な論文があるものの、疫学的に行われた調査では認められていないという不思議な状況ではありますが、日本だと立証される可能性は結構あるなと思ってます。つまるところ、バカみたいにゲートが沢山開いてたらそら個別のでは効果は見えないです。

ただひとつ理解してもらいたいのは国連関連機関やWHO含め世界的には「大麻は麻薬ではなく個人使用での逮捕は人権侵害である」という認識が作られているということです。

意見は色々あるかと思いますが、「こういう形にまとめるのは間違っています」。規制薬物であり、個人使用を狩る方向ではありますが、個人ではなく売り手を逮捕するべきという形で動いているという感じです。
この前私人逮捕系YouTuberが覚せい剤取締法の教唆で捕まってましたが、日本ではおとり捜査でもこういう形の逮捕はやりません。芸能人の使用者に関しては目立つので逮捕されますが、基本的に売人狙いであり五年前に制度化された司法取引とかもその辺り狙ってます。



あとですね、

そのうえで、「日本では従来通り大麻は違法」にするか「逮捕拘留はやめて罰金刑にする」などの議論をする必要があります。

こういう時いつもガッカリするのですが、「逮捕」は「日本の警察が持っている権利・行為の一つ」であり、罰金刑でも逮捕はされます。拘留も。
刑罰の軽重で決まるものではありません。



あとまあ、世界でも基本的に「販売は免許制」「所持量の制限」とかになっており、現状のまま合法化されるものではないと思いますし、現状の日本での販売の状況、海外での政策の状況を見るに、解禁だとかって方向にはまず流れないかなと思ってます。日本でやるとしても、タバコのような形になるのではないかとは思います(税金60%くらい)。ちなみに、アメリカでも解禁して大麻関係での逮捕が減っているのではなく増えてたり(所持量規制とかを超えるとかでの逮捕や、無許可販売とか)、いいのか悪いのか別のステージに移ったなという感じです。
大麻合法化して良いこと何かあったかというと大変微妙。


なお、医療大麻については、本当に期待薄だと思って下さい。副作用の緩和には使えるかもですが強くはない、あと難病に効くかも?でやられているのはまあ日本でも謎に期待されがちな何か健康食品の成分と似たような感じです。基本対症療法用のものであり、モルヒネぶち込むよりはそりゃ健康被害は少ないだろうと思いますし使われてもと思いますが、モルヒネほどの効果はないし、それこそ健康被害が強くないから効果もない感じですね。


大麻解禁が日本で行われるか、という事を真面目に考えると、あまりにもなんか益がないんですよね。多分そこだと思います問題は。