英国国民投票の衝撃

タイトルは釣りです。
どうせ衝撃とかタイトルつける記事が量産されるだろうから、まあ書いとく。


が。


これ衝撃がないと言われたらそうでもなく。


この国民投票は、「離脱か残留か」の投票「とは一概に言えない」。
「大衆vs政党政治」であり、先進国における「革命的な結果」といえるかもしれない。
とか言っても多分あんまり認識されないんだろうけど。


例えば、日本で選挙は「人」に投票される。
「大衆は良く分からない。ので、賢人に従い、代議士を選んで国の運営を決めてもらう」んだよね。
アメリカではちょっとおもしろいサンダース旋風だとかトランプ旋風だとかあったけど、結局の所、二大政党の争いという構図に絶対にさせられる。投票権はあるのだけど、大衆層が直接政党を率いて政治家層というのと対峙するという構図にはならない。
ボクらの民主主義というのは、その実、政治家というエスタブリッシュメントの間での抗争であって、・・・・・・共産党とかでも執行委員会とかそんな所がエスタブリッシュメントとなっている。


んだけどさ。
今回の選挙特に「党内主流は残留派」だったという事がある。野党となる労働党ですら残留。与党の保守党では当然残留
つまり、「政党という枠ですら反対意見を押し込める事は出来なかった」という事。
これ、スコットランド独立選挙でもそうだったが、「だいぶ『党に従わない』人が増えた(特に政権を争う党)」という印象を受けた。


指導力のなさ、説得力のなさ、今までの政治のツケというべきものがそこに出てるんじゃなかろうか。
既存の枠である、「政党」が機能していない。


これ、イギリスが将来的にどうなるかという事に関しての話、だけではおそらくない。
将来的には、こういう政治リスクをボクらは抱える事になる。
いや、これリスクって捉えるのもどうなんだというのもある。多分、今後不安定な政治が安定的に見られるようになるだろう。
幾ら古き良き時代とか叫んでも、そんな、古い、の裏に隠された「我々がよく分かった」「政治に気を配らなくても商売がやれる」時代を望むのは止めた方がいい。


これは革命的な事象だと思っていいと思う。
民主主義は革命に近い現象を起こせるものを内包している。
日本に同じように波及していけば、自民党がもし憲法を思いっ切り書き換えるような事があれば、次はおそらく別の政党が憲法を書き換えるのだ。
不安定な憲法を抱えるのがいやなら、もう概念的抽象的な憲法に変えるしかない。
「みつを的な憲法


だいぶ楽しくなって来た。

追記

一応念の為に書いておくけど、皮肉でもなんでもない。
経済成長こそが国の重要政策である、というのは、富国強兵あたりから変わらない、国家というシステムが民衆をあまり重要な構成要素とみなしてこなかった事でもあるんだが、民主主義という事が「本当にどういう事なのか」、おそらく今ん所だーれもちゃんとは分かってなかったんじゃないかなと。
国民投票を行う事の危険性」だとか言われても、それを使わさないようにするのも変じゃね?
それに、お前ら合法的に税金を安く出来るだとか、今までの安穏とした日々によって一番おいしい思いしてきたってだけで、それが社会の底辺層の人間にはトリクルダウンとかない訳だしさ。
これから、英国の経済成長自体は確かに鈍るかもしれないけど、まあ、エスタブリッシュメント層をひっくり返して金に換えれば一般庶民の生活程度ならなんとかなるんじゃね?
そういう事出来るなら、全然EU離脱のマイナスを上回るプラスを得られると思うんだよな。だって投資家層って持ってる金を国内投資しないじゃん。投資っても、もう資本主義型植民地主義でしか無いわけでさ、それで豊かになるのは現地の支配者層でしか無いわけだし。
経済規模が二倍とかになることよりも、二倍の人が食える方がいいに決まってるじゃん。銭ゲバの投資でやるんじゃなくて、ODAとかの国からの投資の方が、かったるいかもしれないけど、公害の心配も少ないじゃん。