滅びる訳ないじゃないですか。

久々に記事を見て。

記者の眼 - 木村の主張「人月商売や多重下請けは滅びの道」、読者はどう考えるか:ITpro


「ウチの会社は人材が中心だと思ってます」みたいなセリフを聞いていつも、「まあ、だから人間を調達とかしてきたりするんだよね」とか思ってます。


どんな会社も、やがてはこの形態に落とし込まれがちなのは、人材という程には品質は揃ってないし使い勝手は違うしで、結局の所「ソフトウェア」そのものを売っているのではなくて、「ソリューション」を売っているという、胡散臭い話をする事になるのがとっても面倒臭いのでもうお察し下さいです。
値段の付け方が一番理不尽なのが、人月の、月の方ではなくて人の方になってしまう、というのは、ソフトウェア工学でも言われている事だと思いますが、ところが、西洋であっても、「同一職種同一賃金」までです。能力主義というか成果主義としてやっていっても、その場合にはパフォーマンスを同一条件に落とし込まないといけないのですが、そうはナカナカいかない。
けど、売値はだいたい同じ。客も、月の方ではなくて人の単価で「高い」「安い」という言い方しますしね。
また、工程でも、結局客のやり取りとか考えると、それが頻度高いとそれだけ時間や無駄がかかる事が多いです。というか、打ち合わせの場所で毎週毎週何か話す時間の方が惜しいと思います(客先常駐で業務支援とかしていた事もあるので、もうゴメンもう少し頭働かせて筋の通った意見を出してくれと思うことはあります。客先常駐だと客の扱いにも慣れるので、正直要望の処理は爆速で出来るんですが・・・・・・)。


人月商売をひっくり返す事は、ほぼ無理です。
外資系も見てきました、海外ベンダーも見てきましたが、「労働時間によって支払いを決める」方式はそれなりに浸透してます。パッケージ的に出来るのは、相対的に人件費が安い時です。人件費が大きく絡んでくる所では、まず無理。
どこもかしこも多重構造化してるのは、例えば末端の人の給料の二倍とか三倍とかが部署が違うだけで別の人には払われてる、とかになると、もうこれ同じ会社とかの扱いなんかにはし辛いわけです。
日本人の会社では、かも知れませんが。アメリカの方ではばらつきがえげつない事もあって、会社内で分社化しているような光景に出くわした事はあります。怨念が発生しているのよね部署間で。
下請け多重構造は、まさしくそういう都合の悪いコトを覆い隠す何かです。偽装派遣とかやってなくてもそうです。
ウチのグループ、ヒエラルキーは低めですが、会社として分かれているからこそ、上に文句言って金分捕れたりしますしね。


いや、多重構造化とかイライラするのはありますが、顧客企業が社内にSEを雇ってちゃんと内製化する、というのもマジで考えにくいなあと思います。
こちらが口を酸っぱくして話をしているにも関わらず、未だにWindows2003ServerからWindows2008R2へのアップグレードを変な考え方で安く済ませようとする人達がいます。いやさーもうVB6とかを引っ張り出して改造しようとかやめようよーとかは思うんですが。
世の中のIT革命のツケがここに来てのしかかってるんですが、だからと言ってCentOSとか載せてJavaとかってのもそんなに幸せにはなれそうもない。何でって、そりゃどう足掻いてもビジネス環境よりもシステム環境の方が変化が大きいからです。本当は、システム環境はビジネス環境よりもゆっくりめの方がいい。
そこが全く組み合わない場合に、外注という、外でその変化を受けてもらえる所ってのが必要になってくるわけで。
ボクらも、社員をクビにするのは大変です、というのは、労働法とかという意味合いよりは、人の人生を狂わせるだろうなあという所が大きいわけですよ。でも、そこら辺会社とかだと、気にしなくていいですよね。


そーゆー所を考えると、ボクらの多重構造ってのは、実はボクらが特殊なんじゃなくて、社会の要請だって、そういう結論にしかならんのです。