有害事象は交通事故を含まない事がある。

2018-05-21
を見て、間違いを指摘しておく。
なお、7%という数字を取り出して判断出来るようなものではない事は言い添えておく。

よく引き合いにだされるたとえとして、ワクチン接種後に交通事故に遭っても有害事象として数えられる。ワクチンと無関係であろうと思われても、とにかく記録をしておかないと後から検証ができない。「いくらなんでも交通事故とワクチンは無関係だろう」「いやいや、ワクチンのせいでふらつきが起こって交通事故に遭ったという可能性が否定できない」なんて議論をする前に、とにかく、有害事象は記録することになっている。

2018-05-21

以下PDF。583に記載されている症例が、交通事故の骨折だったが交通事故は重篤な有害事象から除かれた例になる。
http://www.pmda.go.jp/drugs/2014/P201400173/400256000_22600AMX01389_K119_1.pdf
ただ、見れば分かると思うが、交通事故の骨折は重篤な有害事象として残されている。


ここで言い添えておくが、「有害事象を一体何件として登録するのか」というのが案外難しい問題であり、例えば、「頭痛や発熱、鼻水、くしゃみが出て、風邪と診断されました」という場合、何件になるかサッパリ分からんという事があったりする。いやまあ普通は一件なんだけど。
なので、症例数でカウントするようになっている。
また、重篤かそうでないかというのは、入院必要だとかくらいからカウントされる。骨折してなくてもむち打ちでも入院する場合には重篤だとかになる。


交通事故というのは、状況をちゃんと見ない事には薬剤と因果関係を捨てきれない事象であったりする。普段合わない交通事故に合うというのは、呪いでもなんでもなく、注意力が低下しているなどの可能性も出たりする。
なので、交通事故は関連性を完全には捨てきれない、副作用にカウントされているものであったりする。


最後になるが、研究論文の場合、対象としている有害事象の範囲は「副反応とは言いづらいが関連性が捨てきれないもの」くらいは選別されているものとなる事がある。
あんまりこの辺り、「言葉で定義する」ものではなく、実際どう処理されたかによるのだが、
「本当に起こった有害事象を含んでしまうと問題になる」事がある。
他の原因で問題になった人を多量に含んでしまうと、差がより検出されづらくなるという事だ。
例えば、100人中11人vs100人中10人、ではあんまり差が分からないが、これがこのうち10人は関連性がない有害事象が含まれている場合、100人中1人vs100人中0人という比較になる。


なので、7%もあるという判断なのなら、正しくプラセボとHPVと変わらないという考え方をするべきだし、7%じゃないふわっとした有害事象抜きの話なら、0.14%と0.11%の差、0.03%というのは、得られる利益に比べてどうかという話をした方がよい。