治験を知らない人が多いのでちょっと説明を。

臨床試験後に電柱から飛び降り死亡 薬投与が原因か | NHKニュース

ちなみに、死亡は6月の話です。
一応業界の人ではあるけど、ねえ、これは。

Ph-1の死亡はかなり異常。

一応、エーザイ及び病院の法令違反はなかったという話なのですが、これ、むしろその方が闇です。
被験者は健常人男性なので患者さんよりも薬に対する耐性はあります。具合が悪くなるだけですが、10人いない所で副作用キツいの出るとそれだけで治験が中止になることもあります。
まあ、これでこの薬の開発は終了するのですが、それにしても男性が副作用を訴えていたにも関わらず適切な治療(つっても薬が抜けるのを待つくらいですが)がされていなかったのは問題ではと思います。
精神疾患のそれよりも急激に発生しているので、唐突な行動の危険性は高いので医師監視下での入院は必要だったのではと思います。

日本ではパッと記憶から出てくるものはありません。健常人相手では。
がんの薬は健常人相手には投与しません。Ph-2以降は患者さんなので、原疾患で亡くなるケースあります。
治験には補償制度もあるので、あまり気にされずとも良いです。


ただ、今回思ったのは、今回被験者さんの訴えをかなり軽く見ていた事、治験中にキャッチアップどうやら出来ておらず、また幻覚を軽く見てた事(わざわざ再来院して言ってる)が見えてきます。
Ph-1施設の運用がかなり甘いのではないかとは思われます。ここの何故を突き詰められないと、治験において最大のリスク要因である「医者とか病院」の問題の解決に向かっていけないのではと思います。

治験ボランティアに関する勘違いを一応指摘。

  • 治験はバイトではなくてボランティアです。あくまでも謝礼レベル。故に所得にはならんとかあります。献血と同じですよ。
  • リスクとは当然見合わない、労働と考えても拘束時間はかなりあります。故に、何らかの健康被害が発生したら補償制度があります。
  • いつでも止められます。

Ph-1試験の安全性をしっかりとした方がいいんじゃ。

治験実施中に信用ならんなと思ったら止めていいです。
別の医療機関受けてもよし。


ただ、このボランティア、人の心を指し図る上で大変嫌な事があります。
お金ない人に一日二万は大きいですし、途中で止める決心がつかない為に我慢したのではとも思うわけですよ。
あと、健常人は意外と病気説明する力がないです。特に未経験のものに関して。
これ、Ph-1の安全性もう一度ちゃんとし直した方がいいんじゃないかなと。


これやっぱりわざわざ再来院してまで報告してんのに、対策取られねえのやっぱりおかしいよね・・・・・・重過失とは言わんけど、治験薬で幻覚収まってない人間を世に放ったらあかんで。薬物乱用歴もない精神的に病んだ経験もない人がドラッグに抵抗力ないのも分かるやん。