そもそも、現状まあ区分けとしての「処理水」と「処理途上水」があるというのは前提として、単純に「処理水は規制濃度以上のトリチウムを含む」ので、
「処理水は無害」は単純に間違いですね。
もしかしたら、「薄めた最終的な処理を施した水」を「処理水」と呼んでいるのかも知れませんが、言葉の定義がグッダグダですね。
また、これは別口ですが「処理水は薄めたら無害」という理屈も、それ、ちょっと本来予定されていた規制とは違う裏技なやり方であり、それやれるなら「規制濃度以上のトリチウムを含む処理水を海に垂れ流しても、どうせ薄まるから無害じゃね?」という話が成り立ちます。
まあ、実際の所そうだとは思うのですが、「何の為に規制しているのか」、当たり前ですが、他の核種や他の毒物でもやれてしまう技です。
そうなるとまあ規制自体は意味はなくなるのですが、その海域内で総量としてどれくらい放出されるのかという総合的な判断をした方がいいと思うのですが。
怪しい魚がフクイチ近くの海で捕れる、という事は多分そんなにないとは思いますが、一部の魚がいなくなるとかはあるでしょうね。まあ、そもそも急にその辺りで塩分濃度の異なる水が入ってくるという事になるので、生態系は変わるとは思いますが。
いやー、まあ、薄めたら無害ってのはねえ。
海ってその勢いで汚れたわけで、だから排出規制とか出てきたわけで、流石に言い方を考えろと思うんですよね。
トリチウムの海洋中の移動についてよく分かってるわけでもないし、偏りもあるんですよね。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/radioisotopes1952/40/12/40_12_520/_pdf
「薄めたら無害」という方式の、あまりにもバカバカしいがまあ、そう主張する人は、「一定以下の放射線量であれば健康に影響はない」という仮説の元に発言なされているとは思います。私もどちらかというとその方であり、というかまあ、「じゃあお前ら温泉つかって放射線浴びてるのはどうカウントすんの」という所でもう少し渾然とした健康への影響を考えるわけですが。まあ、トリチウムが多少高濃度であったとして、規制以上だったとして、それで健康被害が出る出ないという境界には普通規制濃度はなっていないので、健康被害には対して影響はないと思います。
ただ、「薄めたら無害」ってのは、流石に規制を舐めてるようなやり口で、フクイチのトリチウム以外は許されないやり方だと思いますよ。例えば水銀とかで「0.005mg/L以下」を、「薄めたらええんや」とばかりに海水混ぜて排出したら、それは怒られるでしょう。トリチウムの規制が健康被害からではなく、ある意味の牽制というところで決まっているだけなので、わりとええ加減に評価されているだけだと思います。
そもそも、フクイチ、今でも処理途上水から、処理前のやつから、海に多分放出されてます。凍土壁で遮られているはずなんですが、未だに地下水の処理にタンクが埋まっていく状況ではあるので、まあ無理っす。
そんな状況でも、フクイチの港湾内のクロソイぐらいが引っかかる程度ではあるので、そんなに大きな漏れではない、あるいは防波堤の外では薄まっているんだとは思いますが。
そもそもでいうと、当初は陸上施設で自然と放射性元素が崩壊とかしてトリチウムも落ち着くはずだったんですがね。地下水の状況が予定よりもはるかに悪かった為に、ALPSも性能悪い時初期のALPSから始まり、ボルト式のタンクとかが急造され、まあ、処理途上水も安全に保管されているわけではないので、処分を進めようとしているわけなんですが。
今はALPSも2つくらいシステム追加されて、凍土壁もだいぶマシになって一日60トン処理すればいいという話になって、冷却水循環風にちょっとなってきたかなという所ですが。ただ、まあタンクからの水漏れ、地下貯蔵池への汚染水流出等、「陸上で安全に保管という状況ではない」とは思いますよ。
そういう所の判断をした、とは言わずに、「トリチウム水は薄めれば安全」とか言われても、ちょっと鼻白むなという感じです。
まあ、政府は人々が疑問に思っていても、「説明はするが議論はしない」という事で、もう実行待ったなしの所まで来てますし、覆るような事は初めから考えられていないので、何いうても考えるの無駄ですがね。
そういうところが、政府への不信、東電への不信に繋がってるとは思うんですがね。