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WELQの問題について少し。

俯瞰

jp.techcrunch.com
今でも認識が甘いのではないか。

著作権違反について

「リンクが作成されていない」「複数の記事の組み合わせで作る」という事によって、著作権法違反の回避が可能、とはいえない。
「完全コピーで無ければ著作権違反ではない」のではなく、確たる証拠と言いづらいだけである。
マニュアルがある以上、会社の業務として著作権違反に当たる行為を推進していたという事については否定は出来ないと思われる。


ここら辺、駄文であろうが引用としてURLのリンクあったりすればちょっとはマシなのだが(例えばNAVARまとめとか)。

薬機法(医療機器も含まれるようになりました)違反について

医薬品的な効用を謳うと、それは薬機法違反となる。
医薬品・健康食品の広告はその辺りのさじ加減が大変難しい。化粧品等でもその言い換えをするお仕事をやっている人達が一定いる。


実は現行のサイトでも危うい宣伝を行っているものが多い。
参考:
医薬品医療機器等法に関わる不適表示・広告事例集 東京都福祉保健局
医薬品的な効能効果について 東京都福祉保健局
医薬品等の広告規制について |厚生労働省
医療法における病院等の広告規制について |厚生労働省


ちなみに、ここらへん意識されているかどうかは不明だが、「広告によって特定の医薬品へ誘導する行為」が問題とされる。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/koukokukisei/dl/index_d.pdf

薬事法における医薬品等の広告の該当性について
平成10年9月29日 医薬監第148号 都道府県衛生主管部(局)長あて 厚生省医薬安全局監視指導課長通知

薬事法における医薬品等の広告の該当性については、かねてより、下記のいずれの要件も満たす場合、これを広告に該当するものと判断しているので、ご了知の上、今後とも薬事法に基づく広告の監視指導について、よろしくご配慮を煩わせたい。

1.顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昴進させる)意図が明確であること
2.特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
3.一般人が認知できる状態であること

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/koukokukisei/dl/index_d.pdf

(全文引用だが、官公庁が出したものに関して著作権法適用除外)
例えば、
Zensoku.jp 喘息(ぜんそく)の総合情報サイト
商品名は、多分出ていないと思う。
google:アドエア site:zensoku.jp
血圧ドットコム 高血圧に関する総合情報サイト ノバルティスファーマ株式会社
google:ディオバン site:www.ketsuatsu.com


なので、ガチな医療系サイトには広告がまずないはずである。

もう少し、案をねらないといけない。

1つめが医療・ヘルスケア情報の取り扱いに関して認識が甘かった点です。数カ月前から(WELQについて)医療関係者の監修がない状態で記事が公開されている事実を把握していました。当時、「後で監修をつければいいのではないか」と思っていたのですが、この認識が甘かったと思っています。医療・ヘルスケアというセンシティブな情報を取り扱うメディアとして、あるべき姿ではなかったな、と。監修をつけるプロセスは進めていましたが、もっと早い段階で取り入れるべきだったと思います。

http://jp.techcrunch.com/2016/12/01/dena-moriyashu/

まずビジネスとして、広告に存在する規制を理解していない所が一番大きいのではないかと思われる。
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_34.pdf
広告、は、消費者への利益供与になる場合もあるが、歪んだ情報・広告であれば、消費者の不利益になる。医薬関連は特に厳しいのではあるが、厳しいだけで根本的には不当表示防止である。
監修をつけるとかの問題ではない。

2つめはWELQに限らず、私たちが運営するその他のキュレーションメディアも含まれることなのですが、記事の作り方に問題があったと思っています。BuzzFeed( Japan)が公開した記事を見まして、マニュアルや指示の内容、例示の仕方など記事を作る一連のプロセスがクリーンであったか、モラル的に問題がなかったかと考えると、決してそうではない。記事の作り方に問題があると感じました。

DeNA守安氏「認識が甘かった」——WELQに端を発したキュレーションメディアの大騒動 | TechCrunch Japan

この部分に踏み込んだのは良かった。
先に書いたのであるが、「マニュアルに翻案せよと書かれているのは流石に拙い」。
「こうやって改ざんしたんですわー」と書いている段階で犯罪告白に等しい。
文言をチェックして一致不一致に踏み込んで判断するのは、「偶然の一致」とか主張する場合である。

現場にも確認したところ、組織的に独立した形でやっているMERYを除き、私たちが運営している9つのキュレーションメディアは似たような体制で記事を作っていることが判明しました。最初、アップされている記事で問題があるものを順次非公開にしていくという方法も考えたのですが、それではWELQの医療記事と同じように判断が遅れてしまうと思ったので、MERY以外に関してはいったん記事を非公開にすることを決めました。現在公開されている記事の中には問題がないものも含まれていると思うので、その記事に関しては社内の管理委員会で内容を精査した上で、問題がなければ再度アップしていこうと考えています。

DeNA守安氏「認識が甘かった」——WELQに端を発したキュレーションメディアの大騒動 | TechCrunch Japan

多分著作物パクリの所を加味した判断だと思うが、多分「問題があるかないか白黒のジャッジがまず難しい」と思われる。
現状、「作り方」が出てしまっている段階で、また、「参考にした元の記事」がハッキリしない段階で、果たして社内で見付けきれるかどうか。制作物はあるが制作者が明確になっていないようにも思う。誰が書いたか分からない状況、元ネタも分からない状況、で、「Google検索などの機能でチェックしてみました」などの機械判別では信用出来るものではない(せっせと機械に同じだと認識されないように『加工』していた訳だから)。
リセットした方がまだマシではなかろうか。


言及されていないが、

  • 社内通報制度

等真面目に取り組むべきではなかろうか。
この記事の発言を見ている限り、社内にコンプライアンス違反を通報する制度がなく、またCEOが法務を黙らせている姿が見える。
本当に社内でひとつも「ヤバイ」という声が上がっていないなら、会社は畳むべきだ。
よく、経営層の近くに、「○○委員会」というのを設立するパターンが多いが、それが有効に働くはまずない。末端の作業者よりも企業犯罪に対しての犯罪意識が薄く、「チャレンジ」させるインセンティブが大きく働く人達が行うのは、究極のモラリストみたいな普通の従業員以上に厳しい感覚が必要なのだが、CEOを見ても分かるが、「むしろ遵法精神は低い人達」である事の方が多い。
対応が早かろうが、「二段階で判断した」のを見るに、会社の勢いに飲まれている度合いが高い。

最後に。

医療系従事者に警告しておくが、「この手の記事の監修を引き受けるなら、相当の覚悟は必要と考えた方がよい」。
例えば市販後試験だと一枚ふごふごという値段がつくが、その医薬品の信頼性の担保の多くは製薬企業が責任を負う。
たった一言、「この薬は○○に対して効果があります」という事を言わんとする為に、様々な企業やメーカー、官公庁が莫大な費用をかけているのだが、その責任、担えるのか。