突っ込んでおきますね。

browncapuchin.hatenablog.com

母集団と言う言い方するなら、「その一つの模試を受けた人」ではなく。

偏差値を計算するための数値がいくつかあります.そのうち,もっとも大切なのは母集団と平均値です.
例えばこれを読んでいる方あるいはお子さんが河○塾の全国統一模試を受けたとします.
この場合,河○塾の全国統一模試を受けた人たちが母集団となります.
一方,もし同じ日に代○木ゼミナールの模試があってそちらを受けた人達は母集団には含まれません.問題も受験者も違いますからね.
したがって,違う母集団同士のデータをごっちゃにしてはいけないし,違う母集団同士の偏差値を直接比較してもあまり意味はありません(まったく意味がないわけじゃないことは最後に書きました).
河○塾の全国統一模試の結果の点数を合計し,受験者数で割ると平均値が計算できます.いろんな資格試験で使われているCBTでも同じです.

君は偏差値を説明できるか? - おまきざるの自由研究

「一つの全国統一模試を受けた人たちの集団」は「標本集団」です。「母集団」とは違う概念です。
母集団とは、推定統計において標本集団の大本となる全体の集団を意味します。この、「推定統計」でないと「母集団」という概念は出ません。
何にも付けないか、標本として考えて下さい。標本のサンプリングの範囲が違うとかいう言い方ならまだ分かりますが。

◎このように,個人得点と母集団の平均点が同じであっても,受験生の得点のばらつき具合(標準偏差)によって偏差値が違ってくることがわかります.

君は偏差値を説明できるか? - おまきざるの自由研究

この母集団とかは明らかに変な言葉の使い方になります。
母集団 - Wikipedia


実の所、河合塾の所でも

全国屈指の母集団

全統模試案内 | 模試 | 大学受験の予備校 河合塾

とありますが、統計の言葉としては、全国屈指の標本サイズとかそちらの方が正しいです。
全国屈指、という事は、つまりは「数が多いんで受験生全体を程よく反映している」とか言いたいんでしょうし、比較対象は「受験生全体」だと思われます。偏差値そのものも、「河合塾の中での偏差値」という意味限定なら、大した意味はないですよね(大学受験予備校として)。

標準偏差にはメジャーなので二種類あるので。

大体式としては
\sigma^2=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}(x_n-\bar{x})^2
となってますが、
今推定統計とかで普通に扱う標準偏差の場合には
\sigma^2=\frac{1}{n-1}\sum_{i=1}^{n}(x_n-\bar{x})^2
です。
英語では前者にpopulation standard deviationとか言ったりして区別つける事あります。後者はsample standard deviationとか言います。
この前者のパターンは、いわゆる全例調査である場合などには用いられますし、間違っている訳ではないんですが、母集団というような言葉と共に用いられると首をかしげる事になります。
で、学力の偏差値の場合には大抵前者です。

偏差値、の前に。

deviation valueと言われると、大抵、標準偏差の値と読んでしまうので止めた方がいいと思います。
"McCall's T Scores"と言った方が通じやすいかと思います。
確かに「日本の偏差値は、それとは別に独自に作った」、というのがあるのでしょうが、その場合には「Hensati」とかそんな風にした方がまだマシだと思います。

余談

「テストの点数が正規分布する」という仮説は確か相当に荒い仮定で、実際の所個々のテストの分布は正規分布していないはずです。
という事を、どっかで見たなあと思ったんですが、多分この辺りと同じような話です。これの「2. 正規分布は普通の分布?」の所。
連載 奥村先生の統計学教室_第2回