何故詳細なマップを作らないのか。

データが不十分また偏りがある為、正確性が不足する

都道府県単位であれば、現在分かっている患者数はある程度地域の現状を反映していると思われるのですが、現状発見されている患者には、「特定の事例の関係者に偏る」問題があります。
実は蔓延していたが~という場合に、数日から数週間の報告遅延もあり、結構時系列も細かく見てはいけないものであったりします。


感染しただろう場所と、感染者の住居が乖離する問題についても、細かく見るとあんまり反映できない問題があります。
どこぞの大学で広まったのは、ざっと複数の都道府県にまたがったりしたのですが。

余談:マップは見た目はキャッチーだが、結構イメージにも騙される

例えば都道府県単位だと、関東の場合には東京寄りに寄ったりします。都道府県の県庁所在地を中心にプロットされるからです。市町村単位も実はそうです。
故に、平成の大合併とかやった田舎だと酷い事に。まあ、そういうものとして見るといいのですが。

対立のネタになる

こちらは政治的なものですが、実際、都道府県単位での施策が中心なときに、特定エリア同士での綱引きや対立のネタになります。
現在、国別の患者数ですら、国家対立を生んでいるので、その辺りの危険性はお察しください。

人々の移動が変容し、悪化する

これも、どこぞの長が営業しているパチンコ店を公表すると人が寄った事の悪影響等を考えて欲しいです。

ぶっちゃけ、感染者が少ない状況では分析も限界がある。

現在、新規感染者は、都道府県単位で見て100人も超えていないです。
統計的に見ているようでいて、結構偶発的事象にかなり引きずられるでしょう。貴方の街でクラスターが見つかった(だいたい一施設での集団感染です)だけで、市町村単位だとぎゅっとその地域に固まって発生しているように「見える」わけです。


それなりに正しい推定をやる為には、推定モデルが持っている前提をいかにクリアしたかというところが重要であり、細かいモデルとか論理的に洗練されたモデルとかを使う事は大して重要ではありません。
例えば、実際に観測された事象と合っているかという事を考える必要があります。
それは「人の移動」を考慮して使ってますか?そうでなければ「それっぽいグラフであるだけ」と思われます。一日一日で、感染者の群れがこう広がっている、みたいに見えているかもですが、それが案外「狭い範囲でたまたま発見日がずれたせいで、濃いところが移動して見えているだけ」だったりね。
ライブハウスが密集している地域で発生しているのだ!とか言っても、案外発生したライブハウスは1軒だったとかね。実際のところは、ライブハウスのはしごがあったようなので、広く広がったところはあるのですが、それ、多分十人に満たない感染者が動いたせいだったとかで広まるんですよね。


統計モデルの、根本的に問題なところは、「それっぽくても実際にそうかどうかは分からない、わりと『数集めたらこうなる』という性質で雲形定規当てはめてみた」というだけなところです。
原理的にあっているか、というところが全く盛り込まれていないので、外してたところで「テヘペロ」でしかなく、また、昨今新型コロナウィルス感染症で行われているシミュレーションwは、大半が現実に合っているか確認もされていない、はっきり言えば「未検証」です。
それっぽいだけなんですよね。

感染者が意外と長距離移動していたのが肝だったとも思うが、それを見つけられないなら駄目ですよね。

あと、マップの見方としても、徐々に地域が移っていくとか拡大していくとかって解釈はかなり間違っていて、実際には感染した人が大きく移動して感染を広げていくのが重なって見える訳で、見ているものは実態ではない訳ですよ。感染者として特定されやすいのが、地域の店舗に関わっている人とかそんなんであるというところであり、「どうしてこうなるのかの背景の検討がかなり不足している」とは思いますよ。


政府に、「俺らの満足の為に色ツケたそれっぽいグラフ作れ」というのはかなり無駄なので、自分で愉しむだけでいいんじゃないですかね。