軽症例の為の、大規模臨時医療施設(化)および軽症・中等症から重症例までの移動計画および人員配置。

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治療に関しての基礎知識のアップデートを。

そもそも、病床の数は、「コロナ感染者を適切に受け入れられる人数」ではない。

新型コロナウィルスの治療に関して

軽症例

肺への感染がそこまでではなく、酸素飽和度がまだ高めな場合には軽症とされる。
空いてれば入院だが優先順位が現在どっさがりしていて、まあ入れない。
感染を広げる一因ではあるが、こういう人たちに医療リソースを使うのは現在出来ないが、新型コロナウィルス治療薬が効く可能性が高いのもこの人達にはなる。
抗体カクテル療法が外来でも認可されたので、このあたりの人たちに使われる事になる。成功すればウィルスの増殖を減らせ重症化を防ぐ。ただ、副作用も結構強いのがあるようなので、もう少しデータが必要である。ただ、新型コロナウィルス感染症のせいなのか薬のせいなのかというところも分かってないし、分かってるのはアナフィラキシーも出てはいるという事だけである。
ただ、重症化リスクを防ぐというところでは、かなりベネフィット側大きいとは思う。

中等症例

肺に広がっており、感染が進めば重症化する可能性が高い人達である。酸素吸入等が出来る病床でないと受け入れづらい。ところが、酸素吸入出来る器械、設備が現在数が足りていないという状況である。
抗炎症薬等が投与される。抗体カクテル療法は微妙。
今転用されている施設は、この酸素吸入が出来る設備がある程度ある施設で、ICU手前の人たちを実質受け入れるようにはなっている。が、もともと感染症対策として考えられてきた対策ではない為、病棟の設計が分離されておらず、つまり一棟転用という形になる。わりと個々の医療機関で判断するには難しい。

重症患者

ECMO等ICUの設備を利用しないといけない人たちであるが、もともと急性期とかは一週間も患者をそこに置く仕様にはなっていない事もあり、人数が足りない。もともと十全ではないのだが。

病院の人員に関して

病院や病棟の転用が簡単ではない。

例えば、内科で持っている病棟の一部を切り出して、新型コロナウィルス感染症対応の病床にする、というような事は、現在の病院の作りもあって現実的ではない。同じ通路を患者も医療従事者も利用するし、換気も完全ではない。
その為、一棟まるっと新型コロナウィルス感染症対応の病棟にするしかなく、その場合、大規模病院の一つの科をまるまる消すような形になる。独立した民間病院では大規模であってもこれがかなり難しい。外来の患者も入院の患者もまったく別の病院に持っていく必要がある。第一内科とか第二内科とかでやってる場合には、どちらかの設備をまるっと移したいところだが、大体同じ事をやってる科が一つの病院にあるはずもなく、また電子化されたものもその科単位でベタにローカルに持ってたりするものも多い為、転用が困難である。

医療従事者が元々削減気味。

大体の医療機関で、余裕はない。余らせている人間や余らせてる資材は全部負債になるというのもある。そもそもきつい職場であるし、看護師のなり手も減っている。

人の流用がしづらい。

専門性を持っている人であればあるほど、自分の専門性を生かして貢献したいと考えるだろう。看護に際し、看護用具がどこになにがありどのように手配しというところも含めて、経験が必要である。現在、看護師がハードワークになっているのもそこで、看護師一人が患者一人あたりで使える看護の時間は案外少ない。その中に食事の配膳、機器の定期的なチェックや清掃、患者の容態確認および記録、次の看護師への連絡、下の世話、それらを全部感染防止用具をつけた状態で行う。そういう意味でも経験がある職場の方が流れ作業が楽でいい。
昼飯もみんなバラバラにしかも患者優先なので遅めだったりする。急変があれば食い切らない事もある。当然ながらスタッフからの感染しないように他職員との接触機会も減らされている。

取りやすい対応策について

別途大規模臨時医療施設を置く。

現在も、重症患者を受け入れやすい施設は作れているが、やはり数は限られる。中等症くらいの人の大規模臨時医療施設を作り、各病院から人員派遣等を行う体制を整えるべきである。
給料はうまいことやれと思う。今金に関しては雑に出ているとは思う。
なお、仕組み自体は、誰かが兼務するのではなく、センター長以下センターのHQを医療外の人員を当てるのがいいと思う。教育訓練、設備維持等やる事は大量にあるのでそれに対応するスタッフも必要で、臨時の人間を当てはめる事が可能なくらいには、雑務をどれくらい他の人員が引き受けられるかという事にはなろう。
なお、看護職員のうち看護助手という資格の必須ではない人員が既に各病院ではいて対応していると思うが、そこは各病院からの派遣ではなく、この臨時施設で人を一時的に雇い入れる事になるかと思う。その上で、結構教育訓練含めて通常の病院以上に人員が必要なのでとにかくかき集める。金払って保障払ってやってもらう必要がある。

他医療施設からの人員派遣をすすめる組織を作る

各医師会等、病院代表の兼務という形ではなく、一時的にそういう組織や事務局等をおく必要がある。これは市役所が肩代わりしてもいいとは思う。
ある程度判断の権限移譲も必要であるかと思う。例えば重症患者が溢れてきた場合、中等度の方に回す必要が出てくるとは思うが、このあたりを意思確認していたら手間が増える。

コロナ関連対応している病院へのスタッフ派遣

コロナ関連でのシステム入力や報告書作成等の手間が増えている為、人を派遣する必要がある。部署が出来てもいいくらいだと思う。
リモートワークが準備されていないので実際に人がいく必要があるだろう。
また、スタッフの代行入力が可能であろう部分は必ず代行入力させていった方がいいだろう。

休暇が一定取れる仕組み、また、現在関わっている人の負荷を下げる仕組み

例えば子どものいる看護師の子どもを預かる場所であるとか、高齢の親を抱えている看護師の介護部分を巻き取る介護とか、やれる事はあるだろう。洗濯家事代行も、それなりに意味のある事だと思う。
正直、医療の貢献度順にワクチン接種を優先していいと思うくらい、この手の事にインセンティブ与えて金出したらなんとかなるんじゃねと思う。

世の中にはびこる変な意見について。

竹中氏の考え方は論外。

単純に、「既存の組織を壊して政府が主導するには、金と暇が必要」であり、喫緊の課題にはなりえない。
日本医師会のせいで病院の転用が遮られている、という事はおそらく間違いである。日本医師会にぶら下がる医師会では、むしろ個々の病院では決断出来ない転用に関しての調整等が行われる場所であり、「楽に転用出来ない事情」等を訴えているだけで、そもそも、医師会とかに「他の病人とコロナ感染した患者の命の天秤を」という事に関して、国や都道府県は「明確な命令でもって徴用するべき」である。
責任をいつも要請という形で現場に投げるという体制こそが問題である。
現在自宅療養の患者に対して、国がちゃんとこういう体制を作れと指示したりガイドラインを出したりしてなさすぎる。ニュースに情報取得の速度が完全に負けていて、先も読めてない、そういう政府に全権を預けて改革しても、結局のところ「単に既存IT企業が嫌いで、身内のふわふわしたITベンチャーに発注するというデジタル庁な組織」が出来るだけだ。

第5類相当の感染症に変えるという事は、現状どう考えても有り得ない話。

法律の穴をすり抜けるような事が大きな場で言われているのが全くナンセンスで、必要なら国会を開き臨時立法すればいいだけの話である。
ただ、はっきり言うが、「医療従事者が感染で倒れてしまったら、病院が減る」ので、医療従事者は優先して保護されるべきであり、現在使い捨てられるような医療従事者あまりの状況では全くない。いたとしても、街の普段の診療所ではなく、別途準備した医療施設でやるべきである。

コロナは風邪だからそんなに行動制限しなくてもという案は、実際に企業活動が停止した事例等を考えるべき。

今めっちゃ怖いのが、Amazon倉庫の労働者が集団感染したら多くの人が困るだろうという事。
百貨店での感染事例もあるように、これ以上感染が広がるという事は、経済活動が実際に再開不可能になるという事でもある。会社の社長がコロナウィルス感染症で亡くなったら、止まる事業もたくさんあるわけで、広く薄めた感染率なんかでは判断出来ない。
無論、感染して重症化して治癒に一年以上かかるという人はたくさんいないが、じゃああなたの会社はキーマンいなくなっても存続可能ですかね?というところであり、案外代替効かないんだよね現場の人間であっても。そんなに有能な人間余ってますか?


そしてある程度血を出しながら経済活動が活発化したとして、そのカネでみんなが幸せになっていくだろうか。ちゃんとコロナでカネが稼げなくなった人たちにも回っていくだろうか。
単純に、貧しい人たちを切り捨てて身軽になってるだけじゃないだろうかこの経済成長。
いやまあコロナ対策で国や病院、企業もめっちゃカネは使ったと思う。その御蔭もあって経済成長が見込めるのはあるが、とは言え、必ず揺り戻しがある成長な気もする。