ジェネリック医薬品 調査対象薬の29%で供給滞る 8月末時点 | NHKニュースb.hatena.ne.jpそもそもが先発薬はフィードバックも生かされてるだろうし、枯れてて最適化されてるはずなのに、それより安くなんてのが無理。当然どこかに皺寄せは行くし、錠剤の形状や充填剤などの違いで吸収も変わりうる。
2021/12/16 09:50
id:quick_past の言い方だと流石にデマ。
後発薬は利益ギリギリ、ではない。
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サワイグループの発表。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4887/ir_material_for_fiscal_ym1/99525/00.pdf
医薬品メーカー側から見ると「少量」の為一工場で多品種を生産するが、薬局や医療機関から見ると「寡占」でかつ「大規模」な生産、不祥事が発生すると停止するというリスク。
今回の事件に関しては、「小林化工」と「日医工」の問題ではあるが、日本有数のジェネリック医薬品メーカーであり、日医工は洒落にならない規模のメーカーであり、そこの不祥事という事では当然ながらこれくらいの影響は想定される。
また、供給は平等に行われるのではなく、お得意様向け既存客向けには数量確保される為、品薄感が余計に目立つのだろうと思われる。
金の問題というよりは、現代のGMPに適応する為には、結構な業務プロセス改善や人員配置が十二分に必要だよという事。
小林化工でも日医工でも、生産余力がかなり枯渇した状態で売上を伸ばしている為、増加した売上に比例する形では検査人員を増やせていなかったというのがある。生産や営業は増えているのにも関わらず、品質管理部門の人員は簡単には増やせない。
そのくせ、実際にはGMPの厳格化に従うと、元々の人員よりも二倍三倍は人を揃えなければいけない、また製造過程でのロスも増えるという事があまり理解されておらず、GMP改訂で必要になった事でもあくまでも書面を揃えるという事だけで対応してきたのだろうとは思われる。
新工場、新システム等で、工場自体の刷新が行われればよいのだが、業績拡大期にはその次への対応が遅れるのはしばしばあるが、その典型例と思われる。
玉突きが起こっている。
自主回収として上がっているのではないのだが、プロセスの自主点検の結果、製造を停止している薬が結構増えている。
これは小林化工や日医工とは直接関係がないのだが、結構大量に出ている。
ついでながら、「品目の見直し」まで走っているのと、倉庫炎上の影響も合わさっている。
生産量を調整するにしても、細切れで生産しているものを、更に複数の用量等で生産しているものでもあるので、急には変更はしづらい。
なお、日本のジェネリック医薬品メーカーはほぼ「原薬買ってきて規定に従って混ぜて、薬の形にして包装する」というだけの所*1を担っている為、そもそも原料が買えない、規格を満たさない場合とかには手詰まりだったりする。
*2
今回のような問題は、新薬メーカーでは起こりにくいとは思う。数多あるジェネリック医薬品メーカーは品目が工場の数に比べて多くなる。とは言え、新薬メーカーの場合、生産をジェネリック医薬品メーカーに委託する形に持っていくのが多くなっている為(工場ごと売却とか)、汚点になりやすい部分が外に売られているからとも言える。
血中薬物濃度とかは、流石に試験されているので。
ジェネリック医薬品 調査対象薬の29%で供給滞る 8月末時点 | NHKニュースb.hatena.ne.jpそもそもが先発薬はフィードバックも生かされてるだろうし、枯れてて最適化されてるはずなのに、それより安くなんてのが無理。当然どこかに皺寄せは行くし、錠剤の形状や充填剤などの違いで吸収も変わりうる。
2021/12/16 09:50
これは一般的に正しくはない。
そもそもが先発薬はフィードバックも生かされてるだろうし、枯れてて最適化されてるはずなのに、それより安くなんてのが無理。
先発薬の方が製造ライン作る所は結構コストがかかっていて、フィードバックによって工程を変更されているとかは、ホントの初期の立ち上げ時であり、製造原価はちょっとお高い状態で留まっている事が多い。それでも利益率は先発薬が高いのだが、先発薬の価格が後発薬と同等程度ではなく大体値段を数倍に据え置かれるからであり、売上はジェネリックが出ると急激に悪化する事が多い。
そもそもでいうと、先発薬が有利なのは、「自分たちが作った薬がジェネリックの品質基準になる」という事であり、結構手間暇かけて仕上げた品質を汎用製造ラインで作るという所がジェネリックの不利な所である。
当然どこかに皺寄せは行くし、錠剤の形状や充填剤などの違いで吸収も変わりうる。
これは流石に承認される前に試験をして出している。
ただまあ、新薬メーカーでも同様なのだが、錠剤の形状や充填剤?を変えるにも試験して申請してという手間をかけて、なおかつ失敗するというのはある。
某新薬メーカーで、一度市販したものの添加剤を変えたら、アレルギーが増えて取りやめにしたという事を聞いた。確かスクワレン、肝油とかの成分なのだが。
ジェネリック医薬品業界に問題がないとは言わない。
ただ、これは言えるのだが、今まで「ジェネリック推進」という所で言われてた根拠は、あくまでも「理論値」であり、実際に事故が起こっているのだから、そろそろ「実際のところどうよ」というのは、国が責任を持って情報蓄積、提供すべきではないかなとは思う。
副作用のデータベースは、一応ジェネリックかそうでないかくらいはあるのだが、ジェネリックでもメーカーが違えば品質が違う。そろそろ真面目にジェネリックの各メーカーの品質について検証出来る形で出すようにした方がいいのではないか。
我々は選択の幅があまりにもないが、それとしても、各種スペックはちゃんと評価サイト作るべきだよな。口コミは重要ではない。溶出試験の結果や生物学的同等性試験の結果なんかは添付文書のPDFに貼り付けられるのではなくちゃんとhtmlで比較検討出来るようにするべきである。ついでながら副作用も含めて。
なお、ジェネリック医薬品メーカーは、現在普及率8割であるが新薬メーカーに比べて研究や投資の余力はかなり小さい。
例えばであるが、新型コロナウィルス感染症のワクチン一発で数兆円は売上があるのに対して、数百品目を取り扱うジェネリック医薬品メーカーは売上トップのテバですらそれは超えない。一発のブロックバスターを見つける事でいきなり巨大な企業に成り得る世界であり、日本だけが市場規模は大きめなものの、成長しない市場として世界から見放されつつある。
ジェネリック医薬品の異様な加速により、トータルの医療費の高騰は避けつつあるのだが、消費者の収入も相対的に貧しくなっているところで、長寿なくせに長寿の希望がないような、変な世界になりつつある。
https://www.jpwa.or.jp/jpwa/pdf/kaihou_201409_06.pdf?20140929
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医薬品の値段が問題なのか?
これは、本来はとても難しい話なのであるが、一応だが日医工や小林化工が近年金に困ってたようには思えない。
先にも述べたが、利益率の問題では実はなく、ブルーオーシャンを渡る際の戦術が根本的に問題があり、また日医工等の歴史ある工場を持つジェネリック医薬品メーカーが過去の慣習を新しい基準にちゃんと書き換えられなかった問題だろう。
そしてそういう企業にジェネリックの供給の多くを依存していた、急成長は外部からの圧力でもあったという所でもある。
GMPの基本は、「手順に従って生産する事」である。
ここは生産計画なんかは考慮されない。また、様々な工程で原薬が容器についたりロスがあって減った場合でも、途中工程での継ぎ足しとかは認めてないのだが、それは本来は「キホン」である。不良品を破砕して元原薬に混ぜたりしてちょっとした低品質にそろえて出すとかも、品質を検査基準クリアすればいいだけという逆の発想から生まれているのであるが、申し訳ない、「クリアしてりゃいいんでしょ」というこの価値観、バブル崩壊後就職氷河期時代にやたら蔓延した、「にほんのかじょうひんしつ」という神話から生まれたロクでもない話である。
余談
根本的には、製造業への自己も含めた評価の低さ、他人からの値踏みの酷さがあるのではと思っている。まあ、ジェネリック医薬品業界は、正直地位が低く見られがちで、しかし、実際には医療を支える大きな柱であり、もっと配慮されていいと思う。
なお、更に「見えてない」人らとして、医薬卸でそもそもジェネリックの種類が増えすぎて在庫管理がキツイとかの状況なのもうちょっとどうにかした方がいいとは思うのだが。。。。。。
臨床検査会社等も、三大受託機関とか言われる所がほぼ全国を専有している状態で、民なのか官なのか微妙なほどの状態である。
現在のコロナウィルス感染症で急拡大したPCR検査の民需をほぼ満たしていた会社らが、コロナウィルス流行が落ち着いた時、この検査能力を活用して商売しようとかは多分難しいだろう。どうしても日にちがかかるし、他の病気で積極的に利用はされないからだ。大学病院ごとに、大学院生にやらせてるようなPCR検査を外出しして会社にやらせるとかになればちょっとは利活用されるのかもだが。。。。。。
*1:とは言え、ラムネとか比較にならないくらい装置を何段階も使って製造する。ジェネリック医薬品の製造工程 - 経口剤(錠剤) | ジェネリック医薬品とは | 小林化工株式会社
*2:余談だが、中外製薬だと 原薬製造・固形剤のくすり工場|からだとくすりのはなし|中外製薬、ただ固めるだけでも結構手間、理論的にというよりは経験的に工業的に製造工程は作られていて、各社製造工程で使われる機械は違っている