ライフサイエンスの匂いがしない、超絶周回遅れのトップランナー風創薬企業。

※書き手は大手製薬企業から金もらってる人ですが、ベンチャーとはお仕事していないです。
※T、t、G、C、O、D、Aとやってました。今はD、Aくらいか。グループとしてはTと前のとは違うDとかも大量にやってます。あまり特定の企業に思い入れはないです。中の人も結構転職するし。
※会社の中では傍流なので会社説明では出て来ないと思います。
※グループ内でも知られておらず、ググってグループ会社が出てきたので聞いてみた→東京から大阪へ話が流れてくる、というパターン結構ありました。
※直上の上司から上の方もよく分かっていないです。


www.itmedia.co.jp
ブコメにちょっと書いた。


がんペプチドワクチンの話から、その日本で先導していた人がベンチャー企業を作ってそっからアメリカに行ったりと、がんペプチドワクチンはこうマトモに発展しそうにない所がある。
今画期的新薬として出て来る抗がん剤は、モノクロナール抗体のもので、日本では完全に立ち遅れているが、アメリカが二十年分は時間も金もかけているものなのでこのギャップは当面続くだろうとは思える。日本の製薬企業が対抗できているのは、日本独特の環境による。
余談だが、アメリカとヨーロッパはほぼ同一の環境だと思ってよく、小さい会社はもうグローバル企業に駆逐されている。フランスは国策によってサノフィを維持したが、結構薙ぎ払われてる。


モノクロナール抗体と、がんペプチドワクチンは、双方とも最先端医療とは言われるが、実は後者に絡む免疫療法などが、テーラーメイド型の医療でビックリするほど金がかかるが著効は1割程度でかつ拘束される事が多い。見込みがあったとしても、世界には普及しない医療であるし標準医療化するには手間暇がかかりすぎるマニアの医療である。
特に、がんペプチドワクチンは、「臨床では効果が見えるが統計を取ってみると案外効果がない」所で、わざわざ先端医療と言っているのにも関わらず、当たり前な抗がん剤よりも効果が見込めない状況であり、併用療法で頑張ってエビデンスを取ろうとしている医師の集団が存在するというだけの状況だと見える。
日本癌学会|第22回日本癌学会市民公開講座 講演1「がんペプチドワクチン療法」
冷徹な目で見れば、「効果ありという宣伝を行うのは犯罪」と思える。厳しい言い方をすると、治験で効果が示せないというのは、科学的に立証された理論ではない。
この分野の研究者は少なくともあと二十年は諦めて欲しいと思う。


で、今更創薬分野で新会社をわざわざ興す意味ってそうないと思うがなあと。
しかも、この会社が創薬をする訳ではない。どちらかというと製薬会社を作っているだけだ。

がんペプチドワクチン臨床試験
がんペプチドワクチン非臨床試験
・治験用ワクチンの製剤開発・安定性試験
・製薬会社との実用化推進

CYTLIMIC -cytotoxic T lvmphoctyte Immunotherapy in cancer

ずらっと並んだ取締役とかを見ていても、明らかに電機系の人間とベンチャーファンドの人間しかいない。
臨床試験非臨床試験をやるなら、それ用の人材を集める必要があるのだが、そういう空気がない。
また、この会社自体はAI関係なく、むしろAIから吐き出された化合物を地味に動物実験して安全性をやりという、どちらかというと工業化をひたすらやる会社のはずなんだが・・・・・・「そこ」が、製薬で一番金がかかり手間暇かかるんだよね。
対象患者が二十万人以下の薬を、オーファンドラッグというんだけど。
今一つの薬を開発するのにかかるのは日本で500億円、海外では1500億円くらい。これには基礎研究費用とかが含まれていない。その金額のものをこの会社では取り扱える気はしない。単に、製薬会社に渡すライセンスを取り扱うだけだろう。どこぞの会社と全く変わらない。因みに、こうやって見つけた化合物を片っ端から特許取られているかのチェックをしなければいけない所とかちゃんとされているのか微妙。


資本金がどこぞの所より桁が一つ足りないし、これマジでやる気なんだろうか。ヤバイ匂いしかしないなあ。

クラウドワークス宜しくないですねえ。

nlab.itmedia.co.jp


クラウドワークスそんな事やってたのー」という話ですが、
これ、私は、「エンタープライズサービス」というクラウドワークスが勧めてた重要施策の話が、まさか「キュレーションメディアの下請け」だと思ってなかったなあという認識です。


簡単に言うと、単なる小口取引の手数料「だけでは」、成長性も微妙(IRでは景気のいいこと書いていますがこんな成長が当てになる訳ないじゃないですか)な所のテコ入れとして、「更に品質管理までやっちゃう」という所も仕事にして、金額を大きくその代わり管理はウチらで代行しますよというサービスは、普通に考えるものです。
人派遣だけやってると、どうしても手数料収入を増やすのには限度がありますし、裁く量には限界が気やすいものです。常に単価を上げたい欲はあるんですよ。管理と言っても、営業の人に片手間にやらせりゃちょっとはとか思うんでしょうかね。


まあ、ゴチャゴチャというよりも、
IRニュース | 株式会社クラウドワークス

「2016年9月期通期 決算及び事業戦略説明資料」なんかを見てもらえばいいんですが。
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS80447/0ae889b7/fd0a/4f29/a89c/acfea7059766/20161115031229469s.pdf
p.13-p.15辺りを見てもらえばいいと思うんですが。


これが、このねとらぼの記事と合わさると、地獄を見る事になるかなと思っています。
どうもDeNAは細かい指示は会社がするタイプの契約だったんではと思うんですが、
検収や支払いみたいなのの最終責任を取るのもあって、責任回避案外むずかしいんではと思います。


無論、DeNAクラウドワークスにこの損失を肩代わりさせるという事はないでしょうが、大口顧客の当てがこの問題になっているキュレーションメディアしかないのは必定ですし、その品質について大した担保も出来ないのは、まあ仕方ないですが。
ただ、このエンタープライズ版については、間違いなく「責任範囲の明確化」が必要になるでしょうね。単なるマネージメントの真似事で済まない訳で。


japan.cnet.com
コレ見ても、二社とも、影響範囲を勘違いしているのではないかと思うんですよね。

 クラウドワークスでは「クライアントとの契約については個別にコメントできない」としながらも、今回の騒動でクラウドワークスが利用されていたのは事実とし、今後はそういった問題が起きないよう、サービス内の機能追加を検討していると説明する。

 たとえば、発注の単価については、以前からクラウドソーシングサービス全体の問題とされてきたが、現在は実際に発注を受けるワーカーとヒアリングの機会を設けているという。その上で、今後はクライアントが発注する際に推奨の単価を表示する機能や、単価が低すぎるとワーカーが判断した場合には、クラウドワークスに通報でき、検索結果において該当案件の表示順位が下がるといった対策を講じることを検討しているとした。

DeNA運営「WELQ」の発注先だったクラウドソーシング、大手2社の対応は? - CNET Japan

違う。「お前らにもリライト業の責任はあるんじゃないの?」「リライト容疑がかかった時にその嫌疑を晴らす費用をちゃんと負担して初めて管理していると言えるんだけど?」です。

 ランサーズは、「現在、事実確認中」としながらも、サービスに対しての意見については課題と認識しており、サービスの健全化に向けてさらなる整備を早急に進めると答えた。

 すでに実施している取り組みとしては、ライターのスキルを可視化するマネージメントシステム「Quant」の導入や、仕事を依頼する際の推奨相場の提示、また、ライターに向けたスキル向上のための教育セミナーを実施してきたという。さらに、近日中に新たに仕事依頼のガイドラインを公開する予定としている。クライアントが仕事依頼のガイドラインに沿った発注が可能となるようモニタリング体制も強化するとした。

DeNA運営「WELQ」の発注先だったクラウドソーシング、大手2社の対応は? - CNET Japan

回答になってないんですよだから。


ちなみに、クラウドワークスの事業戦略は、ハッタリかつ未達前提の目標であり、この会社の経営戦略担っている人ってどう考えても異常です。
目標の前倒しはともかく、投資の前倒しは必ず実施してしまっているが為に、赤字が降り積もってるんですよねえ。毎度金出す所がいるので持っているだけという。経営で遊んでいる層と、実際の事業とかなり乖離が酷いんじゃないかと思うんですよね。
正直、全く事業黒字化する匂いがしないんで、ヤバイと思います。

スーパーマリオランの騒ぎに見る、「ゲームの見切りをつけようとするのが早過ぎる件」

スマホゲームである、つまりは後でのアップデートも当たり前に行われるゲームの評価について、あまりに早めに下し過ぎではないかという感覚を持っている。


スマホゲームのうち、売り切り・無料から始まるタイプのゲームの区切りというのは特にない。
リセマラ*1の感覚から、インストール・アンインストールを消費者側がやるのも当たり前になってはいるのは分かるのだが。
半年くらいで見切りをつけざるを得ない運営会社はともかくとして、大してやり込んでいないゲームに対して見切りをつける消費者の行動は、本当にいいのだろうかなあと思う。


私は、ゲームは長く遊ぶ方で、今のスマホゲームの流行に乗っているとは言い難いプレイスタイルではあるのだが。
今のスマホゲームの流行ってのが「ゲームっぽい何かを媒体にした、日々眺めるだけのコンテンツ」のようにしか思えず、それも「みんながやってることによる面白さが主体であって、ゲームそのものは顧みられない」状況になっているのがこのまま続くとも思えないんだよなあ。
何ていうかなあ、ノベルゲームの遺伝子が組み込まれてしまっているような感じがするんだよ今のスマホゲー。

*1:※リセットマラソンの略。ガチャが入るゲームの場合、最初に強いカードなどを配る事が多いのだが、その当たりを引くまでインストール・アンインストールを繰り返すという事が行われやすい

日本のWebにおけるAdvent Calenderの微妙さについて。

Advent Calenderというのは、フロントから見て「おっ、毎日少しずつ埋まってるなー」感大事だと思うんだけど、それがはてブからだと見当たらないし。


あと、日本ってこんなにクリスマスを望む国なんだっけー。

整理されていない情報はそれほど役に立たない。

インターネットの医療情報では、「診断とはどうすればよいか」なんてのはちゃんと書かれていないし、
メルクマニュアルでも、
注意事項」として、丁寧にかかれている。


「自覚症状だけで診断は出来ない」のはごくごく当たり前の話で、もう一般人にも理解しておいて欲しいのだが。
確か自己診断とかを補助してくれるアプリでも正確性は60%弱であり、医療機関の場合には85%以上と言われている。
アドホックに「ここまでは大丈夫!」とか言っても意味はない。


海外では、自己診断用の質問票の開発なども丁寧にされていてそれ、だと思ってほしい。
日本では、自己診断用のものがマトモに開発されている事はない。
海外では日本に比べて圧倒的に医者へのアクセスが酷い。下手な麻薬よりも自己診断の結果使われている消炎鎮痛剤の死者も多いくらいだ。
日本では「とりあえず医者へ(免許持ってる医者)」はおおよそ正しい。


そういう「インターネットで確信を得て『その病気と違う』と言っても聞かずに通ってくる患者」に、医療業界全体で「困っている」事も言い添えて置こう。
まあ、だいたいは「人の言う事ちっとも聞かない患者」が「治らないのに病気の権威ぶる」のが多くてな。
「婚活パーティーの常連が語る婚活での成功方法みたいな虚しさしか感じない」。

はてな村の老人介護問題。

そこそこ年食った人が性欲をチラチラ見せるようになっているというのが、老人介護での被介護者からのセクハラ問題に通じるものがあって、ちと怖いのだけど。


変態増田高齢化問題とでも言うのだろうか。
Webでは欲望の解放がよく見られるのだが、ダークサイドに落ちていっているというよりは、理性の働きが老いていくと共になくなっていくというような雰囲気がある。

プヲタの性。

サスケの発言を見ながら。


悪人だとかウソツキだとかは思わないんだが。
勘違いや思い込みやブックでやっちまいそうな人間だってのはあって。


なので真面目な話題としてはサスケとは距離を置きたい。

そもそも「妊婦が大挙して押し寄せられる」の大挙ってどれくらいか。

b.hatena.ne.jp


昔はアメリカ、今はカナダ、出生地主義の国に、他国の妊婦さんがわざわざ子どもに二重国籍与えにやってくるという話ですが。


「実際にあっても大した事ない数だろう」というのが一つ。
あの、出産間際の妊婦さんって妊婦なのに寝てるという訳にもいかず家の中の準備やら様々な事に気を回す必要があったりしてあんまり休まれてない印象ですが。
出産後で直ぐに動ける訳でもないんでそこそこ滞在費用がかかります。また、出産費用はかなり高いです。出産後の検診もあるのでそこも注意が必要です。
日本からでも多分二百万は絶対飛んでく感じです。一千万はいかないだろうけど五百万くらい行くんじゃないでしょうか。そこまでアメリカ国籍やカナダ国籍が有り難いものだとは思えません。
「金持ちが来る分には特に問題ないだろう」というのが一つ。
別に社会人になってから日本の会社に就職して、でも出来るだろう社会階層の人達ですし、留学が出来る層でもありますしね。カナダ自体は若年労働者には来て欲しい国なんです。


無論、排斥運動とか厄介ごとありますが、政府が排斥運動にそった形で運営されている訳ではありません。
単純に労働力不足している所多く、そういう人達を確保しておかなければいけない事情もあります。


若年労働者が労働のリソースとして求められている所です。
今の日本の政策は、「正気を疑うくらい少子高齢化対策を考えていない」所があります。
あの、本当に人いなくなりますよ?

人のブクマを見つつ。

多くの人は、「人が革新・保守的傾向にある」とかそういう政治的にかかえている何かを見るのが多いんだけど。
ボクが見ているのは、「この人の踏み出し方」と「突っ込まれた後の対応」なんか。


はてなブックマーク - 日はまた昇る・・・というより昇って欲しいよね(ブックマーク)


自分をどう見せようかという所では、「模範的な回答を良くする」人であるが、世間一般的にどうあるべきかという道徳観という所では発言は薄く、右と左での思想対立軸の所で発言している事が多いですね。
政治色の強い話題では出て来るが、ある種ワイドショー的な道徳が問われやすい所では微妙です。
あと、自分の言った事に関してスキがある場合に、「ああそうだね」から入らず、「いやこれは元々こういう含意があるから」と取り繕う所があって、細かい所で反感買うタイプですね。


Cunliffeのはてなブックマーク


ネトウヨ的な発言とか自分が敵と認識する時には強い言葉を浴びせる人、としてしかみんな認識していないだろうけど、

  • 多分SFとかその辺りのオタクサブカルの素養がある
  • 多分文学系の研究肌の人、というか言語学の学者さんでしょうかね。

素ですアレ。クラシックからクラシックなエロゲまで網羅されてるのがなんというか、ハイソです。
余談ですが、私小学生の頃通ってた塾で、ひらがなの名前の男の子というので印象に残っていたのですが、濃い家庭だったようです。人文系はそういう学者家系が集まっている雰囲気はあります。
そもそもが反感買いやすいタイプです。いや普段はおもしろ側に倒れてる人なんだけどなあ。


はてなには反感買うやつしかおらんのか!
うんまあ、そうでもないと多分印象に残らないだけだ、とは思いますが、
そうと信じたい。


感覚ではあるのですが、それぞれに鏡となるようなWebの顕名クラスタがあります。

  • ネットの記事の中に出てくる文化人は、おおよそ軽い左側な人は多くいます。右の軽い文化人ってのは、不思議と発生してないんですよね。ただこの辺りの文化人って、大衆迎合的というか「うまく言ってみた」感は強いです。
  • 微妙な空気を読まず発言する理系大学人は、「お前ら所詮こんな程度だよな」みたいな見下しの感覚が強いです。おそろしく狭い世間で生きているなあという印象もあります。

顕名クラスタと言いましたが、まあ、なんていうかな、匿名でもあんま変わらん気はします。

NAVERまとめ、の引用だらけで作られたコンテンツも、微妙。

まめなはうすみたいなのも似たような所ありますが。


まめなはうすって言ってますが、ああいう紹介サイトは、ですが、参照元記事のコンテンツをあまり開示しないようにはしていますよね。
要約をつけることもこれまた著作権法上微妙(著作権には翻案権もあります)でもありますし。


著作権法の概念は、「著作の財産権をしっかり認めていこう」で「それによって著作物の正しい利用を推進しよう」という事なんですが。
まあ、あの、「金を払わされる可能性」みたいな事をあまりにも忌避しすぎていて、「著作権利用の対価として無闇にボッタクれない」のに妙に著作権者に連絡取らない風潮が出てるだけなんですよ。IPに対して防衛的になりすぎているメーカーや出版社も問題あるのですが。


一般の人にあまり馴染んでいない概念に、「ライセンス」というのがあります。
ライセンスを与えれば無制限にモノを使える訳じゃないです。どういう使い方に対して権利を与えるのかというのは、個々の契約によりますが、基本的には条件付きであります。
特に、「金が儲かる」形のものに関しては注意が必要です。
だから、「金が儲からない」ものに関しては、比較的ゆるい認められ方をしてたりします。
アニメに関しては特にそのやり取り出来る所が利益独占してたりしますね。


このライセンスは、「どんな人や企業でも同条件で結ばれるものではないです」。
Amazon最恵国待遇な条項を契約に入れていたので公取が動いたという話がありましたが。
本来であれば、「二次創作物に公式が許諾を与える」のは、「絶対に全範囲ではない」ので、個々に確認してネットにその情報を上げても意味がないんですよ。
しかも、具体的に何らかの作品を指してボーダーとか決めてる訳でもないですしね。商業作家の二次創作は認めても同人作家の二次創作は認めない(あるいは逆も)のもありなんです。


赤松某とかその辺りにたかってる法律家ももう少しちゃんとしろよと思うんですが、これら「個別の契約ごとについて他者へ公開する事もない」ですし、「裁判で勝ち負け競うのが目的の権利でもない」んですよ。


あのねえ、一度でもいいから、「ちゃんとした手続きをして」モノ作って欲しいです。
今のままだと絶対にアングラ文化のままですよ同人。
CCの概念輸入してとか、あまりにもグチャグチャに突っ込んでも仕方ねえです。日本はそういう「利用しようとする人達がちゃんとフレームワークを作る文化ってのがない」のは分かるんですが、「グレーゾーンで儲けるアングラ企業の存続にしか役に立ってない」んですよ。
同人を同人に貶めてるのは、業界の人達です。


ま、ハッキリ言うなら、「赤松とか小倉は切れ」。

「世間一般」に「理解させようとする」行為は、諦める方がいい。

芸大生は「理解不能な」天才でも、奇人変人でもない。 - 言っとこうかなと思った。
見て。


天才と持ち上げられる場面もあれば、奇人として白い眼で見られる事もありますよそりゃ。
けど、人って根本的に、他人を理解していないものです。
だからこそ「普通」とか「普通でない」とかって軽々しく扱えるので。
所詮人間がマトモに識別出来る個体って、そんなに数多い訳じゃないじゃないですか。その中で統計的な事実として「普通」「異常」とか人間が切り分けてるのではなく、社会に流布された「普通」という規格に当てはめてる事でしかないんで。


いわゆる世間一般の方々が、「普通」が何か理解せずに、「普通は~」とか言っている事は、当然世間一般の人も「何か違うなー」とか思いつつ流しているので。
そこに棹さす行為が既に「普通」とは乖離してるって所もあるので。


僕らデュシャンじゃないんで便器は便器として見ますし、石をどこかの広場に持ってくとかって発想はないですよ。
根っこの所でそんな深い理解とかするもんじゃないです。
理解して概念を「使ってる」訳じゃないんです。大した理解もなしに使ってんですよ。

今四十だが、こういう感覚はとうの昔にない。

僕ら“40男”が抱えているこれだけの憂鬱 (1/2) - ITmedia ビジネスオンライン
こういう事は考えないなあ。


箇条書きにする。

  1. 「僕ら」という感覚はない。
    1. 上はどこぞの会社の社長とかCEO、下は死人とかそんなのだし、そもそも「僕ら」といえるものは中高くらいまでで、大学が同じだからと言って同じような人生を得られる訳ではないというのが、就職氷河期を経験して考える事ではある。
  2. 「上の世代も下の世代も、それぞれそこそこのイメージを確立している」と「思うのなら」、ダラダラと上の世代や下の世代と比較せず普通にやればいいだけの話。
  3. 未来予想図、という発想は他メディアなんかでもしばしば見るが、二十の子じゃあるまいし、先行きそのもの(自分が進む未来)はそれほど博打には満ちていない。
    1. 無闇な博打でやるんじゃなくて、意図や意志で進む方向に動かしていくのが当たり前に分かってないといけないと思うがまあ。
    2. 計画的であろうが無計画であろうが、人の生きてく方向というのは直近で何やったという事によって繰り返し強化されてく。今更地位を投げ打ってやりたいことをやるとかってのは、若い人らを食わせななあと考えてる人間は無理であるし、そこまで我が強ければ何歳だろうが博打やってるだろう。
  4. 生き方のヒントとか言われても、出来るアドバイスは「で、どうしたいん?」以上ではない。

通常とは違う(通常って言っても細孔内の分子挙動の「普通」の話ですが)振る舞いがカーボン・ナノチューブで見付けられたという話。

news.mynavi.jp
こっち細かく把握されてた。
活性炭にひたすらヘリウム吸着させてたラグビー部のどっかのTV局に行った人を思い出すなど。私がやってたのはマイカ表面での液晶分子構造でしたが、温度依存性がきつくまた装置全体の温度管理が必要になってAFM使っての観察は厳しかった。

カーボンナノチューブの基本的な特性

  • 細かいチューブがある
    • ナノサイズ
    • 上記記事の場合だと、1.05nm
      • 因みに、水分子の場合には分子の大きさが0.1nmくらい
      • 分子間の距離は0.3nmくらい
      • この径の大きさをどう求めたのか分からないが、まあ、直接物差しで当てている訳ではなく、SEM観察とかで決めてそうな気がする
  • 表面修飾していないと基本的には炭素は疎水性
    • 故に、通常よりも水は出ていきやすいという予想がある。
  • 細孔内では、分子間力により、通常は沸点が上昇する


シンプルに言うと、「モノの表面にモノは吸い寄せられる」(分子間力)んですが、カーボンナノチューブの表面に馴染むより水分子同士でくっついてた方が熱力学的に安定だったりするわけです(まあ水分子同士での水素結合とか含め)。
水素結合は分子間力よりはオーダーちょい上で強いので、極性分子じゃないと相性が悪いんですね。

これの面白い所。

しかし、今回の実験結果は、シミュレーション予想とはまったく異なり、「100℃を超えた温度で水が固体化する」という意外なものだった。研究チームは、ラマン分光法(分子の振動スペクトルを分析する手法の一種)を用いて、直径の大きさを変えた6種類のCNT内部の水について調べた。その結果、最も小さな直径1.05nmの単層CNTでは、水の凝固点が最低でも105℃になっていることがわかった。温度を厳密に測ることは難しいため、実際の温度はもっと高く、最高151℃で固体化している可能性がある。

直径を0.01nmだけ広げて直径1.06nmの単層CNTで実験した場合には、凝固点の範囲は87~117℃に変化した。直径1.15nmの二層CNTでは、凝固点は-35~10℃となり、普通の水よりも下がった。直径1.44nmと直径1.52nmのCNTでは、それぞれ15~49℃、3~30℃の範囲で水の相変化が観察され、日常的な条件に近くなった。

MIT、カーボンナノチューブ内部で100℃超の水が凍結する現象を発見 | マイナビニュース

「高い温度」だけではなく「低い温度」も観察されているという事です。
この辺りになると、シミュレーションでは厳しい可能性があります。
メチャクチャサイズに敏感なようですし、これより小さい場合にはどうなんでしょ。

シミュレーションで予測出来なかった最大の理由。

観測結果(から類推されるシミュレーション結果)からの乖離がある場合には、シミュレーション結果を報告する事がそもそも難しいからです。

このようにCNTの直径をごくわずか変えただけで、凝固点が数十℃という幅で大きく変わることも、これまでは予想されていなかった。従来の研究ではCNTの直径を厳密に測定できていなかったため、サイズのわずかな違いから大きな結果の違いが生じることが知られていなかった。これがシミュレーションで正しい予想ができなかった理由のひとつであるという。

MIT、カーボンナノチューブ内部で100℃超の水が凍結する現象を発見 | マイナビニュース

観測されてない事実がシミュレーションで得られた時に、考える事は「シミュレーションが間違ってんじゃないのか」という話になるんでねえ。
まあ、シミュレーションと言いましても、数百個の水分子及び表面分子の境界条件を定めその分子の状態を探るというのは、かなり難しい話でして、計算機資源が潤沢であればいいですが、計算量を減らす為に条件削ったりすると、まあ本末転倒な話にもなりがちです。
自分はやってませんが、一定の距離が離れていたら計算から外すとかザラ。
あと、カーボンナノチューブ内の凸凹まで表現出来るモデルを作るとかになると、うんまあキツイです。表面に全く水分子が馴染んでない訳でもないとは思いますし、幾らかは確率論的に表面に溶けてしまってたりするでしょうし、ウダウダした話を全て考慮してかつfs単位で動くもののシミュレーションとか、考えたくもないです。観察を先取りするシミュレーションが難しいのはホントここらへんあるんやでーと。この上で、実際にプログラムのバグとか計算機のバグとか出て来るのもありますしね。

他。

CNT内部における水の固体化について、研究チームは「氷」という表現を使うことを避けている。「氷」とは結晶化した水のことだが、CNT内部で固体化した水において、氷の結晶構造が存在するかどうかはまだ確かめられていないからである。

MIT、カーボンナノチューブ内部で100℃超の水が凍結する現象を発見 | マイナビニュース

今回使ったのはラマン分光法ですので、結構浅い部分しか見えないと思いますうまくやっても。結晶構造解析まではやってないという風にも思います。
元のカーボンナノチューブ自体が小さいので面倒そうですね。
多分、謎の現象が現れて手持ちのラマンで測定してみたら何か固体っぽいという話なんだと思います。

今回の発見の実用的な応用としては、プロトン(水素イオン)が高速で移動する「アイスワイヤ」などが考えられる。水は、通常のプロトン伝導材料と比べて、少なくとも10倍の速さでプロトンを伝導できる。室温でも融けずに安定した固体相の水をCNT内部に充填すれば、理想的なプロトン伝導体として利用できる可能性がある。

MIT、カーボンナノチューブ内部で100℃超の水が凍結する現象を発見 | マイナビニュース

量論的にはそうなんですが、気色の悪い効果が出てきそうな気はします。プロトン伝導の話については、産総研にあります。
産総研:氷中のプロトン拡散過程の観測に成功


個人的にはここらへんの技術が進んでくれると嬉しいけど、ゴメン、まだ新物性で精一杯で産業化微妙だよと思いはしますが。

機械学習は、著作権上大丈夫なんだろうか。

家の中でWebのデータをせっせと使うのはまあいいとして。


営利企業の中で、画像認識の為にWebにある画像を利用するのはいいのだろうか。
学術だ研究だ開発用だ(これは微妙)というのは分かるけど、機械学習の成果を使ってカネをいただく際に、機械学習の元ネタにした著作物を作った人に著作物の使用料を支払うのは筋なんではなかろうか。


ただ、この辺りを考えると、無料でサービスを使わせるGoogleとかの会社が、機械学習などの元ネタを専有してしまうという問題になっていくだろう(利用規約にはちゃんと書かれている)。他の新しく技術開発する会社とかが出にくくなる。
しかし、出にくくなるとは言っても、その為にサービスを無料で提供するというコストを払っている会社と、やってないが利用したくるという会社では意味が異なってくるだろうしなあ。

うーん。

日本のWebメディアは残念。

jp.techcrunch.com
まあ、紙の新聞社も褒められたものではないが。


英語の方がマシという状況になっている。

一目瞭然ではなかろうか。翻訳は無視するとして。
英語だと、Natureの出版物がきて、その次にNCIのページが来る。その次にはMedlinePlusだ。
まあ学術語っぽいので、例えば吐き気とかにしてみると、

これももうウンザリするような差異がある。


海外だってクソみたいなメディアはあるが、圧倒的にマトモな情報の流通量が異なる。
"それでも"、広告見るとクソみたいなものがくっついているのだが、
でも、元のエントリ自体は、丁寧に作られている。


「ネイティブ広告ガイドライン」も海外と比較をしてみたが、それ故にちゃんと広告は広告と分かるようにするという決まりがある。
日本は、そもそも記事の価値が薄い。故に広告のクソさがあまり際立たないのかも知れないが。


メディアの人間はこういう惨状なのに、気付いているんだろうか。
いやホント心配になる。
多分ヨッピーは分かってないと思う。