『ダンジョンズ&ドラゴンズ』って、私より上の年齢層がメインターゲットではと思うんですが、なんでけっこう吹替でやってるとこが多いの?20代以下限定試写やったらしいけど、それって日本の若者は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』で遊ばないからでしょ?
— saebou (@Cristoforou) 2023年4月3日
うちの大学でTRPGで卒論書いた人が発表した時は、TRPGで遊んだことがある学生はほぼいなかったのでTRPGとは何かから説明が必要でした。
— saebou (@Cristoforou) 2023年4月3日
TRPGとしては、D&Dは有名ですが、その中のセッティングとしての「フォーゴトン・レルム」はあんまり知られてない・意識されてない。
ちなみに、名前は有名なんですが背景世界に関してはシナリオ集もお高かったのと、日本で行われていたのは他の新しいルールの翻訳紹介、日本でのオリジナルの創作とかだった為、フォーゴトン・レルム自体が知られていません。
フォーゴトン・レルムはD&Dの中でもメジャーな設定で、富士見からシナリオが一部出てますし、そこを舞台にした小説もいくつか出てはいるのですが、日本では同じD&Dでもドラゴンランス戦記の世界の方がメジャーです。が、ミスタラという他の世界設定もありましたし、なんせ、ちゃんと通しで翻訳されてないんですよね。
あと、D&Dは版元の変更、買収等で翻訳の契約が結構ぐたぐたになって日本で出るのが遅れるとかが結構昔はあり、特に元々のTSRが滅びかけてた時翻訳新和出版時代には権利関係でかなり煩く、昔のジャンプのマンガ「BASTARD!! -暗黒の破壊神-」で鈴木土下座ェ門が生まれたのも記憶しております。海外でもなんでIP眠ってたのと言われると、この辺り結構TSRのせいです。その御蔭でWizardryとかのタイトルが横から出てくる訳なんで。
ちなみに、今D&Dとのコラボが結構行われており、例えばMtGやMinecraftにフォーゴトン・レルムが来てたりします。
海外ではある程度ささると思います。
ついでながら、今回の動きはリブートであり、既存顧客層へのファンサービスというよりは、魅力が減退して離れた人々を呼び戻すあるいはルールブックもリブート(第5版)なので、「過去のフォーゴトン・レルムを知っている人にも新展開を見せる」つもりだと思います。
TSRの時代にD&Dの映画出たんですよね。めっちゃ微妙だったけど。
ちょっとややこしいD&Dの系譜
多分アメリカでもD&Dで遊ぶ人というのはそんなにいなくて、大方MtGから入ってます。TRPGは遊ぶ人はボードゲームの層に近いです。
MtGは、D&DのTRPGの合間にやれるゲームとして開発されたというのはわりと有名な話なのですが、D&Dの版元を買い取るまでに一気に成長しました。
そして、キャンペーンセッティングをフォーゴトン・レルムとかに集中させ、一部はファンコミにスピンオフしてます。
gigazine.net
海外では、ちゃんとリブートに成功しているという感じなのですが。
日本では、ホビージャパンが版元で売ってはいるのですが、元々日本のルールが主流で、かつプレイヤーがD&Dには残っていないという事もあり、オンラインセッションでは特にD&Dは見かけてません。今回の映画を期に映画館に並べるんだろうなと思うんですが、さてどんだけ売れるでしょうね。イラストで買うかなあ・・・・・・
日本のTRPGの主流は?
オンラインセッションではクトゥルフの呼び声ベースのものが多く上がっており、ニコニコ動画から地味に発展し、日本のTRPGの大きな所を担っています。
一応クトゥルフの呼び声、もちろんラブクラフトのシェアワールドベースのものでやられているのもありますが、「ホラーをやるTRPG」として結構汎用的に使われていて(元々クトゥルフの呼び声自体も現代劇にも適用しやすいものだったので)広く見かけます。
元々使い勝手のいい、ソードワールドも相変わらず強いです。
日本のTRPGは、アメリカのようにまだ表側で明確に認識されている訳ではありません。無論、コンピューターゲームの製作者とかはTRPGを知ってはいるのですが、どちらかというとコンピューターRPGの系譜の中に埋もれていて、根底に実はあるんだよとかあんまり知られてはいない感じです。一部の好事家のみ知っているというか。
あともうひとつは、「シェアワールドな作品」があまりブームになってない所があるかもしれません。異世界転生がラノベ多いとか言われてましたが、ちゃんと人気になる下地はあるのですが、やはり日本のファンタジー世界として意識されるものは、アメリカのファンタジー世界とはちょっと毛色が違うとは思っています。昔どこかで「歴史のないアメリカでの歴史小説のようなもの」という解説を見た事がありますが、そういう意味では、日本では確実にファンタジーは「異世界」なんですよね。中つ国の歴史は確実に日本の歴史とは交わらないです。
そもそもでいうと。
D&D、キャンペーンセッティングって、日本ではそんなに流行ってなかったんですよね。高いし、買ったシナリオは一回やるとネタバレするという所もあり、そもそもキャンペーンとしてやると負荷が高いんで(1回のプレイ時間が5時間とかあり、演劇ほどではないですがシナリオ把握してゲームマスターが準備するのも結構手間なんですよ)、そんなに背景世界に馴染みがないんですよ。
小説という形で展開されていれば話は別なんですが、今回は小説をベースにではなくあくまでも背景世界までなので、キャラに思い入れとかはあんまりないんじゃないかなと。
それよりも、D&Dというテーマパークで、脚本はオリジナルという感じで考えた方がいいです。
古いD&Dプレイヤーがターゲットというのはないでしょう。媒体も違いますしね。
あと、初老の人間がしみじみ鑑賞するようなものでは絶対にないっす。