id:guldeenが、青二才の記事に「これの規模の小さい版が、例えば“企業城下町”であり、日系企業の海外進出及びその周辺地域の事情。▼力作!」とか書いていることにより、2011年の残念記事がピックアップされてた。
事実誤認
東京在住の方は「JR横須賀線」を思い出してほしい。東京駅・新橋駅を利用したことのある方ならわかると思うが、横須賀線だけ地下に造られていることに対して「あれ?」と疑問を感じないか?地下にあった理由は空襲によって断線・乗客(となりうる要人)の命を守るためです。
横須賀線は東京駅と横須賀を結んでいるのですが、これは横須賀の海軍基地があるためである。(JRの横須賀駅に実際に行ってもらえばわかるのですが、海上自衛隊と米軍基地が見えます。目と鼻の先に駅がある。)司令官が基地に行くためでもあるし、本土決戦の際に皇居および霞ヶ関(新橋)に駆けつけるために作ったものでもある。
全然違って、戦後に通勤ラッシュ緩和の為に一杯線を増やした為。地上では間に合わないので地下に潜っている。
東京駅近辺は軟弱地盤の為、工法も当時の最先端の技術を使っている。
つ 「通勤五方面作戦 - Wikipedia」
鉄分は当方低めだが、多くの鉄道は戦後に発達している。特に旅客方面はそうだ。田舎で早くに鉄道が導入された地域には大抵軍事上の重要拠点か鉱山がある。
ちなみに、横須賀線が東京駅と結ばれたのも戦後である。
赤字を垂れ流すのは戦後、な郵政。
詳しくは。→http://www.teipark.jp/display/pdf/research_01_03.pdf
基本的に、郵政事業は政府独占事業で、そこから利益を得ていた、というのが正しい。
国鉄も赤字になったのは戦後。
高度成長期に出来た自動車道の整備の為、長距離貨物がトラックになっていったという所から。
列強の植民地経営について
日本と列強がやっていることは特に変わらない。本国の言語を教えること、宗教を本国仕様に合わせること、はよく行う。
列強は清を「独立国として認めている」為に清には軍隊を置かなかったが、かつてのビルマは英国軍が駐留しており、一大軍事拠点だったのを、日本が独立軍に支援をして、というのが南方作戦。
「欧米の植民地は「工業用」で、日本の植民地は「軍事用」」というのは、近代の戦争を全く理解していないと思われる。
余談ながら、基本的に南より北の方が重要な鉱山等あった。今でこそ最貧国っぽい北朝鮮だけど、朝鮮戦争頃は南寄りもはるかに豊かで工業化も進んでいた。ウラジオストクを含む沿海地域と呼ばれる所では、シベリア出兵の際に日本軍が占領し沿海州共和国が一時的ではあるが建国されている。
現代の日本の国境紛争は、こういう重要資源地から外れており、故に逆に着地点を作ることが難しい。本来は、軍事上だけしか意味のない場所ちうのは争っても仕方がない所である。いや、一応海産物も資源ではあるものの、その重要性は主に戦後になってから上がった。
近代と現代の社会史におけるポイント
- 近代までは物で見る。人は余り金にならない。
- 先進国になっていく過程で「人」のコストが増えていく。
- 戦時と戦前の違いを認識する。
- 戦時の特別な環境下での状況は、日本の歴史の中でもかなり特殊な状況。徴兵制度があっても国民は1割も動員されていない。
- 当たり前だけど、軍隊は平時にはただ金を使いまくる組織。
- 制度上の話と実質が乖離するのは近代の特徴
- 法律を追いかけても追いつかないことがある。
- 戦後の発展があるので、既に今の肌感覚では近代を論じることは出来ない。