abyss.hatenablog.jp
の続き。
ちなみに、CRO勤務なので、ジェネリックメーカーとのお付き合いはほぼないです。
ジェネリックの国策での推進は正直批判してましたが、流石にジェネリックにぶーぶー言われましてもなと。
b.hatena.ne.jp
ここで目についたブコメにツッコミ入れときます。
b.hatena.ne.jp
輸入するなら輸入元が責任持って海外の生産工場の
GMP適合をチェックする必要がありますし、国も審査しますので、相当時間がかかります。
備え付けている機器から全部チェックする必要があるので、書類だけで膨大です(
FDAだけど。日本では人員が桁が二桁くらいは違うので出来ません)。
そういう手続きをすっ飛ばしての緊急輸入とかは、民間企業で勝手には出来ない訳で、新型コロナウィルス
感染症のワクチンの承認ですら早期承認という技は使ってないですし検討されてないと思います。
で、多分ですが、
厚生労働省から各
ジェネリックメーカーに増産は呼びかけていて、一時的にはなる予感があります。とは言え、じゃあ他にしわ寄せが来るの何なのというところが気になりますが・・・・・・
b.hatena.ne.jp
市販薬と処方薬は流通がちょっと違うのですが、処方薬はねえ・・・・・・大体生産は年間での計画なので、今年分がもうかなりないって感じですかね(大体は冬が主たる需要な訳ですが)
b.hatena.ne.jp
最近は、
コデイン系の麻薬性咳止め薬はかなり少ない印象です。取り扱う方も面倒ですし。
b.hatena.ne.jp
昨今のインフルエンザ大流行は、近年コロナ
感染症の対策がインフルエンザにも効いていた為、むしろ自然感染なんかでの免疫がかなり薄まっていて流行っている、とかは考えます。ある程度の予感は医療関係者にはあったはずですが、その準備はたしかに不足してました。
b.hatena.ne.jp
闇流通は生産量に比べると全然量として大きくないですよ。あと、闇流通言うならそもそも咳止めをわざわざ選ぶ必要がないです。あと、あいりん地区で日常的に売られているという訳ではなく、一応地下化はしている訳で。
b.hatena.ne.jp
うーん、ここは「急に言われても新たに作るのは無理です」というところが大きいかなと。あと、結構な品目が赤字になってたりします(人件費とかも含めた製造原価での話です)
https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/000992273.pdf
製造ラインを作る際に、
GMP適合調査とかある訳で、装置の設置、性能から何から全部書面作成しチェックし、どうやって品質を保つのか等の話を全部資料化して当局に提出し審査してもらう必要があります。まあ初期立ち上げでお金はかかるわけです。製造に関してト
レーニングでも必要になる訳で、それも記録もしますし結構手間暇かかってます。
b.hatena.ne.jp
最低薬価ラインですね。多分最近は5.9円になっているかなと思ったりしましたが、カルボ
システインは5.7円ですね(会社関係なく後発薬は全部同じ値段になります)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001129375.pdf
で、ある意味の「罠」なのですが、カルボ
システイン「テバ」は
日医工に持って行ってるのでそのうち消えます(去年移管)。そういう感じで結構製造販売権みたいなのが売り買いされているのも
ジェネリックのややこしいところです。数年かけて、武田テバが高山の工場を
日医工に売ってるんですよね。
事件を起こしたのは
富山第一工場です。
最低薬価のラインでは確かに赤字品目になる事が多いと思います。
b.hatena.ne.jp
最後の方の、「
ジェネリックは薄利多売だし、儲からないなら辞めるわ」は、最後の一社は最低残るというか生産量が問題になると止めさせて貰えないという・・・・・似たような薬効の薬があれば終われるというか終わるのですが。
b.hatena.ne.jp
薬の供給側は、ネットで情報出せませんから。あと、医療業界の
身分制度ってのがIT業界よりマジであって、先生向けの文章には「御侍史」ってマジで使ったりしますし、それがおかしな
身分制度の名残とは先生方自覚全く無しです。先生へのアポイントメントは求められますが、下っ端には深夜だろうが電話一本でとか・・・・・・この辺りの身分改革あったという話は聞きません。
b.hatena.ne.jp
大衆薬の方が大体処方薬より高めです。「零売」で調べるとヨロし。
ジェネリックと大衆薬は違うのです。
b.hatena.ne.jp
時間がかかる分には勘弁して下さい。
b.hatena.ne.jp
痰で呼吸困難になったりするので、それなりに重症な人には意味があります。ちょっと出しすぎちゃうかと思ったりはしますが、非麻薬性のは安全でもありますし。風邪には咳の神経止めてしまう
コデインとかはあんまり出さん気がします。なお、
コデインの成分は常習性がありますが、麻薬処方になるかどうかというのはモノによって違います。
b.hatena.ne.jp
メジコンも咳を止めてしまう方向なので、あんまり良くはないかもなあ。空咳が強い場合向け。
b.hatena.ne.jp
ちょっとした知識披露はいいんですが、薬の枯渇に関係しているとは思えません。
b.hatena.ne.jp
モノによりますが、出してる薬局や卸がメーカーを変えたかもしれません。
日医工ならその可能性があります。PMDAにも回収品とかの情報がありますんで、チェックしてみてもいいかもです。多分自分の薬じゃないとみんな調べませんし。
b.hatena.ne.jp
国は
ジェネリック推奨で「お前ら争え」とかやってたところですし、「お前らの品質が悪い」ってやってたところなんで、「もっと生産せよ」とか言われましても企業側として対応するのはナカナカ難しいのではと思います。が、多分交渉はやってはいます。が、如何せんコスト削減圧がそもそも高い業界なんでなんともなあ・・・・・・日本の医療に関するものって、多分世界の中でもトップクラスの
コスパだと思いますよ。
余談ながら
jp.reuters.com
咳止め関連の薬はちょっと世界でも多分足りなくなる懸念があります。
b.hatena.ne.jp
市販薬でも売ってますが、日本の市販薬では風邪薬とか咳止めでも単一成分ってのはあんまないです。
b.hatena.ne.jp
これ、話が少しややこしくて、これこそ
日医工が自主回収し販売中止にする事にして他のメーカーが販売先を絞っているからです。一応経過措置ですが、多分出荷してません。他メーカーも生産量を増やせないのでそのしわ寄せが来てます。
日医工って、事件前は一応日本でトップ売上出したりしてた会社なんです。しかも無茶やって売上トップ出してたんで。
b.hatena.ne.jp
いや、二年ほどでだいぶ対応したマシになった方なんですが。見当違いです。
日医工はシェアトップクラスだったんですってば。
当然ながらこれ以外にも業務停止に至ったケースあります。
https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/001074100.pdf#page=8
b.hatena.ne.jp
採算の話でいうと、厳しいが故に、先発薬でやってるような治験を後発薬では全くやらないとか、やってるんですが、それでも薬価が足元見てくる訳なんですよね。
儲かりすぎないように最低薬価まで下げてくるんですよ。工場の立ち上げコストや新規ラインのコストとかも
減価償却あるんですが。わりと製造時の人件費しか見てない事が多いです。
ちなみに、処方薬に関してはおそらく日本は海外と比べても安い方で、海外では市販薬が安め日本は市販薬は単純比較しにくいですが高めです。単純比較しにくいというのは、日本の風邪薬なんかそうですが、成分多いんですよね。海外では処方薬の市販薬版ってのが多いですし、量が多いです。日本はあんまり薬飲まないってのも国民性かもねえと思ったりします。
タイトル回収ですが
「多くの会社は不祥事を起こしていない」とか言ってた医者とかもいましたが、
実際には、日医工以外にもメジャーどころで軒並みやってます。大体製造工程の不正だと十年以上不正という話なのですが、GMPの話って2000年ちょっと過ぎ辺りで起こってるので、つまるところ最初のGMP適合くらいから雑にやってたのの残骸なんですよね。実際のオペレーションでの「原料の継ぎ足し」「検査不合格の製剤の粉砕からの再利用」とかってのはその時その時の影響が大きいのですが。
申請に合うように工程を文書で変えた後に当然ながら工場として動きを変えないといけない訳ですがそれが変わってなかった、と見るのが妥当かと思われます。
あと、ジェネリックの問題って、根本的には多品種少量生産でスケジュールごとに同じ部屋同じ装置を洗浄して使い回すという仕組みで、物品の移動管理をキチンとやれば大丈夫という話なマルチタスクかつ高高度な効率化が図られた工場というもののそもそもの問題点が原因かと思われます。いやまあ修正無理なんですが。
日医工ですが富山第一工場で422品目生産してたりします。
newsdig.tbs.co.jp
つまるところライン何本で年間何種類生産してるねんというところで、人間の注意力の限界の数は超えているとは思うんですよ。
www.mbs.jp
ただ、これ、結論としての巨大ジェネリックメーカーへの再編みたいなのは、正直解決策としては全然ボケてると思います。
いくら合併しようが売り買いしようが、こういう問題は工場につきます。結局生産への圧力があれば一緒なんです。机上の空論を振りかざすガバナンスが効果ある訳ないんですよ。需要以上の薬を在庫で抱えても廃棄してどうという事もないほどの利益が上がってないとそもそも製造工程での不正は起きます。最終検査の不正は倫理観としてもアウトとなるかと思いますが、境界の甘い適用にはなるとか、思いますしね。原料の継ぎ足しとかは、最終的な製品の品質への影響とは違う訳で(どちらかというとコンタミ防止手順、小林化工がやらかしましたが)、良くはないけど不正ではある(PMDA認可しない)という感じですし。
あと、よく下っ端の中間管理職にも利益率ノルマとか課している事も、こういう不正に影響するんですよね。これは業界問わず考えられた方がいいと思ってます。納期厳しい仕事とか、良くないんだよなあ・・・・・・